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技術マネジメント論 [9] 2006年8月9日 |
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オープン化の時代…前回は、外部の力を取り込む上で、“技術コンソーシアム”が重要となるという話をした。→ 技術マネジメント論 [8] 「企業連合の時代」 (2006年8月8日) “将来を目指して”動くなら、新産業創出の端緒的役割を果たす組織が必要となるということである。 一方、“基礎力”増強についても、外部の力取り込む方策がある筈だ。こちらについても、どう変化してきたか、考えてみよう。 → 技術マネジメント論 [6] 「技術体系創出の時代」 (2006年8月3日) 先ず、QCD 一本槍とでも言えそうな、70年代から。 この勝負は、下請け管理につきるのではなかろうか。 安定した産業構造だったし、同質な競争が行われていたから、自社と共に発展を目指す下請け、あるいはパートナーを決め、いかにコストを下げるか、一緒になって考え抜いた時代である。 納期厳守、品質向上で頑張った企業が、大幅なコスト削減も実現した。下請けの努力は並み大抵なものではなかったが、お蔭で基礎力をつき、生き残れたとも言えそうである。 これが、80年代に入ると、状況が変わる。 バリューチェーン全体で戦略的に考える企業が増え、生産技術に長けているだけでは、収益があがらなくなってきたからだ。 少なくとも、開発スピードをあげるためには、提携先や下請けとの関係を密にするしかないことは誰の目にも明らかだった。早くから商品情報を共有して、並行的にプロジェクトを進める体制を敷くしかなくなった。 製品の重要な部分を担う下請けは、パートナーとして目標を共有することになったのである。70年代に、どのように仕事を進めるか、分担をどう決めるか、といった類のスキルを磨き込んできた企業は容易に対応できたが、そうでない企業は競争力を落とすことになる。 さらに、90年代に入り、業界構造が揺らいだため、外部との関係も固定的なものではなくなってきた。異業種や、競合の取引先をも活用しないと、弱体化必至の業界が増えてきた。 ビジネス全体のプロセスを考え、ベストなパートナーを選択していくようになった訳である。昔からのおつきあいを重視すると、パートナーの力量で自らの発展のレベルが決まってしまうため、飛躍を狙う企業は新しいパートナーを適宜起用するようになる。 そして、21世紀。 ともかく、ナンバー1にならないと、地位が安定しない。そのためには、ナンバー1となれる根拠をはっきりさせる必要がある。しかし、産業構造は変化するし、技術も日進月歩で、いつなんどき革新的な動きが発生してもおかしくない。孤高のダントツの地位を守るのは、極めて難しいのである。 そうなると、自分達の知恵が働く領域で、他社も活動してくれた方が有難い。できる限り、自社の技術をオープンにして、群がってくる他社の力を借りることで、ナンバー1の地位を保持しようという目論見である。 詳しくは述べないが、こんな大きな変化が発生しているのだ。 さて、ここまで、9回にわたって、10年毎に時代を区切った技術経営の変遷を眺めてきた。 雑駁な話を、しつこく繰り返してきたが、時代の流れを感覚的につかんでもらえれば、それだけで十分である。 もともと、細部について議論する気はないからだ。 実は、ここまでは“序”にすぎない。 じっくり考えて欲しいのはここから先である。 「研究開発」の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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