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■■■ 「古事記」解釈 [2021.3.17] ■■■
[75]稗田阿礼を称賛する理由
稗田阿礼を取り上げた。
 📖稗田阿礼登場の意義
 📖稗田阿禮に不可思議な点なし

超人的記憶能力を持つ語り部と見なしたが、誤解を生む可能性もあるので、補足的説明を加えておくことにした。

間違いなく天才的記憶能力があったと見るが、それはあくまでも現代人の視点であることを忘れてはならない。文字無し社会では、それこそ凡人であっても、耳に入って来た言葉の記憶能力は極めて高かった筈だからだ。
それに、記憶能力抜群であると、判断能力も優れている可能性は高い。ここらは現代とは大違い。知識豊富な人とは、極めて狭い特定分野での話である。そこで成果をあげて称賛されるか、完璧なオタクのどちらか。社会を大所高所から眺める体質に欠けているからこそ、狭い分野で抜群の力を発揮できたと言ってもよかろう。

稗田阿礼は、そのような専門家ではない。

社会の大きな流れを、歴史観や文化論的視点からとらえることができない限り、人を感動させる歌謡などできる訳がないからだ。単なる暗記稼業者と見るべきではないし、聴衆を感動させるからといっても歌手とも根本的に違う。

それでは、現代人として、稗田阿礼をどのようなタイプと見ればよいのか。・・・
それは、御伽衆として知られる東方朔[前154-前93年]

説明は省くが、なかなかに面白い人物。

言うまでもないが、小生の好みで勝手に選んたのではなく、太安万侶がそう考えたと推測しただけ。

以下の8文字が余りに特殊な表現に思ったので、調べてみて、そのように結論を下したのである。・・・
  度目誦口 拂耳勒心

元ネタは多分以下。
  夫
  談有
   悖於目
   拂於耳
   謬於心
   而
    便於身者
  或有
   説於目
   順於耳
   快於心
   而
    毀於行者
  非有明王聖主,孰能聽之?

    [「漢書」卷六十五列傳#35東方朔]

【続く】📖稗田阿礼称賛文は遊びかも

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