→INDEX ■■■ 「古事記」解釈 [2023.5.3] ■■■ [679] ユーラシア古代文明の残渣[7]消滅インダスの末裔が倭 †どんな分析なのか調べる気もしないのは、素人がWikiレベルで一寸眺めるだけで、日本語はアルタイ系である筈が無かろうと考えるせいもある。・・・ [子音]ptkmnsrwj。現代人苦手の"l"は当然無い。 [数概念]数詞表現。単複の差異さえ不明瞭。 [述部表現型]動詞・形容詞が述部の語彙である。 [好みの表現]オノマトペの重畳句。 例えば、4大文明論を信じたいのなら別だが、本質に少しでも迫ってみたいと思うなら、超トンデモコンセプトの<ギリシア 印度 中原 倭>的に頭を使った方が有意義では。この手の全く異なる見方をしない限り、隘路に入り込むだけと思うが。 そんなことが、どうしても気になってしまうのは、太安万侶の教導を受けたから。 と言うことで、タイトルに示したように、インダスからの系譜を引き継いでいるのが、倭語とのトンデモ論を始めたい。論と呼ぶ程のものではなく、すでに触れたことがあるが、倭語は現代用語で言えばピジンというだけのこと。正確に書けば、印欧祖語的な系譜論で考えれば、倭語の系譜は未詳と判定するしかない。無理矢理に祖語を設定すべきではないとなれば、孤立言語という扱いになるので、いかにも宙ぶらりん。そこで、形態分類で語族をだいたいのところ定めようとなりかねないが、強引な決め打ちしかできないのは自明。 ・・・と考える人がどの程度いるのかは、素人だからよくわからない。調べる気もしないのは、東西冷戦期にこの手の話の解説を読んだ覚えがあるから。(獲得形質遺伝の様なイカ様論が何故喧伝されるのかという真面目な書だった気がする。まるっきりの政治的嘘っパチだが、学者なので、そこには面白い視点が密かに隠されているといった主旨と記憶している。尚、当時、ビックリ仰天したのは、この様な出鱈目科学を唯々信奉する学者が日本にも少なくないらしいとの記述。) 残忍にして悪辣な独裁者が統治していた帝国 ソ連邦の、"反帝国主義"の学者が、印欧祖語論を批判しているとの話で、面白い論理と思った覚えだけ残っているからだ。(印欧祖語論は、ギリシア語とサンスクリット語が同根であるとの、画期的な発見であるのは明らかだが、これを帝国主義者の思想とするのだから、およそ馬鹿げた主張であるが、系譜不明孤立言語に対しては全く無力の見方であることは間違いない。) 多分、こういうことになろう。・・・祖語の時代、他の言語はどうなっており、それらはどこに消えたの?祖語の前は無いの?形態分類は、どう母集団を設定するの?形態分類指標とは印欧語分析で使ったものでは(それで系譜不明言語もカバーできるとの根拠は)? それならどうすると尋ねたいところだが、西側批判ならなんでもよいという手の主張だろうから、そこらは不明。それに、多分、独自の学説をまとめただろうが、いかにも邪魔者とされそうな見解だから、おそらく早くにKGBに逮捕され粛清されてしまったと思われる。 (ソ連の民族政策は民族意識高揚。優秀なリーダーを目立たせて一網打尽で粛清。さらに、言語文化的に相容れない様な隣国配置を強制的に行い、紛争化させ、それを赤軍が鎮圧し和平を実現するという統治方法。・・・独裁者自らが、言語論や民族文化論の指導者である。) しかし、「古事記」を読んでいれば、この答は想像がつく。 クレオール語(ピジン)の生成過程を明らかにすべきとなろう。(一般には、クレオールは植民地化で生まれた無原則な混交言語を指すので、注目する人は滅多にいまい。それに、だれからも正式言語と見なされないから、情報収集も非常に困難そうで、手を出しても成果無しが予想される。) ・・・「古事記」の文字表記方法の滅茶苦茶さは凄すぎる。表記された倭語自体も多義だったり、訳のわからぬ語彙だらけ。オマケに、オノマトペまで登場。これらの特徴とは雑種言語では? しかも、滅多にそんな言語は無いらしいが、母音の数をできれば減らしたいとの意向があったようだし、子音を独立音素にせずだ。("ka"は音素でなく音節だが、倭語の"カ"は分解して発音できないから、小生は音素と見なす。)この特徴は、混淆言語化を容易にする点で、雑種民族にはいかにも好都合だと思う。 個人的には、語尾活用自立語=述部(本来は動詞と一部の形容詞ではないか。)言語である点が重要だと思う。原形態では、これに修飾語が前置され、どのような修飾かわかるように語尾辞が付くだけの、単純明快な構造だったと推定する。動詞さえ覚えれば互いに即時通じあえる関係に進むことができる便利な言語である。どうしてかと言えば、修飾語は基本名詞なので、異言語の語彙を使うことができるからだ。(抽象概念の語彙は稀であり、形容詞は名詞を使うこともできよう。修飾語は名詞が並ぶことになるので、相対会話語であれば、各名詞の位置付けは想定できるので、ごちゃ混ぜの語彙使用でも意思疎通にたいした支障は生じない。) おそらく、かなり早い段階で、こうした倭語が立ち上がったと思われる。渡来人も、この言語であればすぐにバイリンガル能力が身に着くし、そうなれば同義異音語彙も増えることになる。雑炊的広域言語と言えよう。ただ、柔軟に語彙取入を図るから、方言は半端な数で収まることはなかったろうが。 おそらく、この様に書いてもピンとくる人は稀だろう。 そう思うのは、言語にかかわらず、遺伝子解析結果もこの考えを支持する云々という手の解説が余りに多いからだ。 確かに面白いから、小生もそこから思いを巡らすが、半ば遊びとしてである。日本列島内ならそれなりに意味を読み取れるだろうが、それを東アジアで検討するのは避けるべきと思う。情報が偏っているからだ。(中華帝国は巨大であり、しかも漢族とは実のところ民族では無いから、ここでまともな大規模調査が許可される筈がない。問題発生無しとされる調査結果のみで検討している可能性は低いとはとても思えない。さらに、絶滅の憂き目や、奴隷としての大移動、はたまた遥かな奥地への逃避行だらけなのは、大陸では常識のレベル。不透明な調査対象者であることはまちがいなく、大規模調査を行わない限り実態が見えるとは思えない。) そもそも、出アフリカの系譜が見えたからといって、それは民族系譜同定には使えない†のだから、当座の結論とは、自動的に政治的な思惑が被さってしまうことになる。 †:遺伝子型と民族を規定する言語は一致するとは限らない。トルコ語はアルタイ型文構造のチュルク語族とされているが、遺伝子型はそれを支持せず、欧州のギリシア系である。有名なバスクは言語的に孤立しており出自不詳の民族とされるが、遺伝子型は見事に欧州原型に含まれる。 グダグダ書いているので、それと表題がどうつながるのダ、とフラストレーションをお感じになったかも。 ・・・そこらの説明は簡単。 インダスの広域(南北ほぼ1600〜1800Kmで、沿海部は東西1000Km程度あるし、内陸部はさらに東に400〜500Kmはありそう。・・・日本列島を思わせる。)には王権らしきものがなく、とても一様な文化だったとは思えないが、全土の分業制度はあるし、域外との交易も盛んだったことが知られている。印章に文字表記があるものの、文章ではないから、文書統治がなされていたとは思えない。📖前アーリア文化を想う しかも、大河文明ではないから、大規模奴隷の集団農法は使われていないし、そもそも奴隷存在の形跡が無い。 こんな状況だと、雑多な言語環境が存在していた様に映るが、整然と計画された大型都市がいくつも存在している以上、共通言語無しとも思えない。解釈は難しいが、コミュニケーション用の混淆言語も用いられていたと想像しても、当たらずしも遠からずと違うか。 良く知られるように、この後、アーリア人がこの地域に侵入しさらにガンジスへと進み、様々なインド国家を樹立したとされている。歴史書ではないものの、聖典や叙事詩が残っているので、その記録がたどれるのだが、原インダス住民はドラヴィダ系と考えられている。現在も2億人ほどが、インド南東部の住民を中心として、この言語族(タミル語・テルグ語・カンナダ語・マラヤーラム語等)に属しているものの、系譜不詳である。 お気付きになると思うが、言語論的には全く支持されていないが、タミル語ー日本語同系説がある。タミル語だけはサンスクリット系語彙取入が格段に少ない上に、海の交流を意味するアンダマンを通して東南アジアのクメールとはかなり深いつながりがあったことが語彙から想定できるそうだし、さらに海沿いに進んでおかしくなかろう。同祖としてもよいが、同系と書いたのは、超有名な、碧眼の話者10万人@パキスタン北東部渓谷地:辺境域しかいない完璧な孤立語ブル シャスキーも同系と考えているから。そして、間違いなく倭語もその仲間。…そう言えばおわかりになると思うが、余りにも様々な言語に囲まれており、統一などとても難しい地域故の、雑炊体言語というに過ぎまい。語彙の類似性を見つけにくいだけで、全体で特殊な話法の言語という訳ではなく、ほんの一部珍しい用法ありでは。(孤立語なのは明らかといって、基本語彙類似性が無い訳ではない。語族が入り乱れている地のポツン言語だが、この一帯は数字の20進法的数え方でほぼ統一されている。)おそらく、それは広域インダスでの多種言語環境で生まれた風土から来ている。 (折角のトンデモ論なのでダメ押し。・・・ヒンディー語は当たり前のように印欧言語族とされるが、クレオール語と違うか。ドラヴィダ系が混ざっていると。) (参考)📖 「常世長鳴鳥」こそ南方信仰そのもの 📖河合中空構造論を信ずるなかれ 📖[番外] 珠玉の「古事記」(2:高天原の実在性) (C) 2023 RandDManagement.com →HOME |