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■■■ 「古事記」解釈 [2023.7.27] ■■■
[757] 太安万侶:「漢倭辞典」文塊
忘却のかなたにあった、かつて叩き込まれた文法を直接呼び戻さず、素人が"素直に"、「古事記」原文を読み始めてみると、色々と気付かされる点がある。

なかでも、文法については、<やはりそうだったか>感が生まれてくる。無理を承知で、構造文である漢語の文字を使って、非構造文の倭語を表記するのだから、齟齬だらけになって当たり前で、そこからくる現代日本語文法の矛盾に直に触れることになるからだ。・・・
○名詞・動詞の概念は、ほとんどトートロジー。
 (用いられている文章そのものから活用有無が見える訳ではない。)
○文節の定義は確定できていない。
 (文節言語とは言いかねる言い回しだらけ。)
○述部という見方は情緒的で論理性を欠く。
 (主部概念は意味が薄い。)

日本語文法なるものは、現実の言語を直視せず、なんらかの輸入ドグマに合わせて細かな解釈をしているに過ぎないことが直観的にわかってくる。驚くことに、、のが実態。
この閉じた狭い世界は、左右政治思想に無関係に権威主義者が差配しているようだから、統制を図ることが至極上手くいっているようで、こうした事実を詳らかにする動きが表面化していないだけだと思われる。
(毒付くつもりで書いている訳ではない。構造文でない言語なので、日常的に、文節と呼びかねる形態を含む文章にはいくらでもお目にかかるし、そもそも活用する語彙かを当該文章から読み取れる訳がない。しかも、動詞と名詞が近縁使用される例など五万とある。)

例えば、㉑天皇段を読もうとしたら、先ずは機械的に以下の様に書き直してからでないと、小生のような浅学者には、とても読めたものではない。「古事記」の地文は漢文と似て非なる文章とされるが、似ているとはとても思えない。・・・
📖句間字と文末字の重要性 📖[安万侶文法]接続詞不要の社会 📖[安万侶文法]語気詞の扱い

≪段初≫
[天皇]"____"命
 坐△△宮 治天下
≪系譜事績≫
天皇
 娶○○○○ 无子

 娶○○○○ 生御子○○○○ 次○○○○ 二柱

 爲○○○○太子之御名代-定〜部

 定〜舎人

 定〜舎人
此時
 ○○○○參渡來
 其○○○○安置於△△

 號 其地謂△△
≪幸行譚≫
 大后坐△△之時
 自△△之直越道 幸行△△

 登山上望國內者 有上堅魚作舍屋之家
天皇
 令問其家
 云:「其上堅魚作舍者誰家」
__
 :「△△之大縣主家」

天皇
 詔者:「奴乎 己家似天皇之御舍 造」

 遣人令燒其家之時
 其大縣主懼畏 稽首:「奴有者 隨奴不覺 過作甚畏
           獻"能美"之御幣物」
 布縶犬著鈴
 己族 名謂○○○○人 令取犬繩 以獻上

 令止其著火
≪続幸行譚≫

 幸行
 其○○○○之許賜入其犬
 令詔:「是物者今日得道之奇物
     "都摩杼比"之物」
 賜入
於是
 ○○○○令奏天皇:「背日 幸行之事 甚恐
          己直參上 仕奉」
是以
 還上 坐於宮之時
 行立 其山之坂上
 ⑲(5-6)-(5-7)-(5-6)-(6-7)-(4-7)-(5-7)-(5-6)-(5-7)-7-7-3

 令持此歌
 返使
≪遊行譚≫

一時
 天皇遊行 到於△△河之時
 河邊有洗衣童女 其容姿其麗
 天皇問其童女:「汝者誰子」
 :「己名謂○○○○」

 令詔者:「汝不嫁夫 今將喚」
 還坐於宮

 其○○○○仰待天皇之命 既經八十歲
於是
 ○○○○以爲望命之間已經多年
 姿體痩萎更無所恃

 非顯待情不忍於悒
 令持百取之机代物參出貢獻

 天皇 既忘先所命之事
 問○○○○:「汝者誰老女何由以參來」

 ○○○○答:「其年其月 被天皇之命仰待大命 至于今日經八十歲
      今容姿既耆更無所恃
       顯己志以參出耳」
於是
 天皇大驚
 ___:「吾既忘先事
      汝守志待命
     徒過盛年 是甚愛悲」__
 心裏欲婚 憚其極老不得成婚
 賜御歌
 其歌㊄(4-7)-(5-6)-7

 ㊄(4-7)-(5-7)-7

 ○○○○之泣淚悉濕其所服之丹楷袖
 答其大御歌
 :㊄(4-7)-(5-7)-7

 ㊄(5-7)-(5-7)-7

 多祿給其老女以返遣

 ・・・此四歌【志都歌】
≪幸行譚≫
 天皇幸行△△宮之時
 △△川之濱 有童女 其形姿美麗

 婚是童女
 還坐於宮
 後更 幸行△△之時
 留其童女之所遇
 於其處 立大御吳床
 坐其御吳床
 彈御琴 令爲儛其孃子

 因其孃子之好儛
 作御歌
 其歌㊄(5-7)-(5-7)-7
≪幸_譚≫

 △△野
 御獦之時
 天皇坐御吳床

 𧉫咋御腕

 蜻蛉來咋其𧉫
 
於是
 作御歌
 其歌⑳(5-7)-(5-3-8)-(5-7)-(5-7)-(5-6)-(5-6)-(5-7)-(5-6)-(5-7)-(4-7)-7

 自其時 號其野謂△△野
≪登幸譚≫

 一時
 天皇登幸△△之山上

 大猪出

 天皇以鳴鏑射其猪之時
 其猪怒
 "宇多岐"依來

 天皇畏其"宇多岐" 登坐榛上

 ㊇(5-7)-(5-3-5)-(7-8)-(4-7)
≪登幸譚≫

一時
 天皇登幸△△山之時
 百官人等
 悉給 著紅紐之 青摺衣服
 彼時
 有 其自所向之山尾登山上人
 既等天皇之鹵簿

 其裝束之狀及人衆
 相似不傾

 天皇望令問:「於茲倭國 除吾
        無王 今 誰人如此 行」

 之狀

 天皇之命
於是
 天皇大忿
 矢刺 百官人等悉矢刺

 其人等 皆矢刺

 天皇 :「 告其名
        各告名 彈矢」
於是
 :「吾先見問
    吾先爲名告
    吾者 雖 惡事 一言
    雖 善事 一言々離之~ 葛城之一言主大~者
天皇 於是
 惶畏
 :「恐 我大~ 有"宇都志意美"者 不覺」
 大御刀 及 弓矢 始
 脱百官人等所服之衣服
 以拜獻

 其○○大~ 手打受其捧物

 天皇還幸
 其大~ 滿山末於△△送奉

 是○○之大~者 彼時所顯
≪幸行譚≫

 天皇 婚○○○○
 幸行于△△之時
 ○○○○逢道

 幸行
 逃隱岡邊

 作御歌
 ㊄(4-7)-(5-6)-7

 號其岡謂△△
≪豐樂譚≫

 天皇坐△△之百枝槻下
 豐樂之時
 ○○○○指擧大御盞以獻

 其百枝槻葉落浮於大御盞
 其○○○○不知落葉浮於盞 猶獻大御酒
 天皇看行其浮盞之葉 打伏其○○○○
 以刀刺充其頸將斬之時
 其○○○○天皇:「莫殺吾身 有應事」

 ㊽(5-7)-(4-5)-(4-6)-(5-5)-(4-5)-(5-7)-(4-5)-(6-5)-(4-5)-(4-6)-(5-7)-(4-6)-(4-6)-(5-6)-(5-6)-(5-6)-(4-6)-(5-5)-(5-7)-(6-6)-9-3-7-(5-4)-3-6-3

 獻此歌者 赦其罪

 大后
 其歌⑲(4-6)-(4-6)-(6-5)-(3-6)-(4-6)-(5-5)-(5-5)-(4-6)-3-6-3

 天皇:⑮(5-7)-(5-7)-(5-5)-(5-7)-(5-7)-(5-6)-3-6-3
 ・・・此三歌者【天語歌】

 於此豐樂譽○○○○
 給多祿
 是 樂之日

 ○○○○獻大御酒之時
 天皇:㊇ or ㊂+㊄ (5-6)-7-(5-6)-(5-7)-7
 ・・・此者【宇岐歌】

 ○○○○獻歌
 其歌㊈(5-7)-(5-6)-(5-6)-(5-8)-3
 ・・・此者【志都歌】
≪段末≫
 天皇御年___歲
 _年_月_日崩
 御陵在△△
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【//】 419(1) 爾/尓398(103) 卽/即128 然63 371(4) 279(4) 586 220 152
【、 。】 439 560 520 1571 280
【:「・・・」】 186 173
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:日本語での"文節"論は議論する意味が無い。前置文節が、後置文節内の名詞を装飾することになりかねないからだ。"天皇御年124歲"は名詞のみの文章であるが、珍しい用法ではない。

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