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■■■ 「日本の樹木」出鱈目解説 2016.2.22 ■■■

唐変木が長寿とは思えまい

大陸では、「椿」はチャンチン[香椿/Chinese cedar]
従って、日本の漢字表記である「椿」[ツバキ]は実質的には国字である。
しかし、一般的には"間違えたから"とされているようだ。コレ、かなり強引な説と言わざるを得まい。
ツバキは縄文文化の華だというのに、そんなことがありえるとは思えないからである。
   「黒潮島嶼椿文化圏考」[2015年11月13日]

チャンチンはセンダン[栴檀]やマホガニーの仲間の落葉高木樹。花期は7月だから、ツバキとほとんど似たところがない。勘違いなど有り得ぬ。
どう考えても、恣意的に椿をツバキに当てたしか思えない。

それに、センダン[栴檀]やアフチ[楝 or 樗]といった樹木の領域が混乱状態なこともある訳で。
   「端午の節句の由緒ある木」[2014.5.5]

そもそも、大陸では、チャンチンがどうして「春」の木なのかがわからぬ。意味があるとしたら、それは春芽が美しくて食用にもなるから以外に考えられない。そんな程度でわざわざ春の樹木と認定するとは考えにくい。

一方、どうしてツバキに「椿」という文字をあてたかは特段の解説などなくても自明である。
荘子の一節にピッタリ嵌るからだ。
 上古有大椿者,
 以八千為春,八千為秋,此大年也。

  「荘子」内篇 逍遥遊第一

「椿萱並茂」は父母共に健在という意味だが、これも、椿は長生不老との荘子から来ている。
  「送徐浩」  [唐 牟融]
 渡口潮平促去舟,莫辞尊酒暫相留。
 弟兄聚散云邊雁,踪迹浮沈水上
 千里好山青入楚,几家深樹碧藏楼。
 知君此去情偏切,堂上椿萱雪滿頭。


白楽天も8,000年を踏まえた詩を作っている。
  「齊物二首 其二」  [唐 白居易]
 椿寿八千春,槿花不經宿。
 中間復何有,冉冉孤生竹。
 竹身三年老,竹色四時香B
 雖謝椿有餘,犹勝槿不足。


言うまでもないが、ツバキは成長が矢鱈に遅い。言い換えれば、長寿の樹木であるということになろう。しかも、常盤木であり、厳冬期に開花するので、生命力を感じさせる。もちろん、疫病を防ぐ力があると信じられていたのである。
   「山茶表現に見る和的体質」[2015.11.7]

チョンチン[香椿]やニワウルシ[臭椿]はどうか。
聖なる木として扱う理由は一体どこにあるのだろうか。
小生には、「香珍」と呼んでいたのを、同じ音の椿で代替したとった程度の想像しかつきかねる。
おそらく、日本では、正直にそう言い出した人も少なくなかったのでは。チャンチンの日本での俗称は唐変木なのだから。・・・こんな木が長寿の「椿」の訳がなかろう。お馬鹿さんダネ〜。

臭椿は苦木の類。日本では、庭漆あるいはTree of Heaven[訳:神樹]と呼ばれている。(日本には明治期に移入されたとされている。)この樹木の寿命は50年を越えないから、高木にはなるものの短命の木と言えよう。
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