■■■ 多摩動物公園大人向きコース 2013.4.17 ■■■

   オーストラリア動物舎すべて歩き

多摩動物公園のウリは「オーストラリア園」、コアラを筆頭にして、有袋類を揃えているのが一大特徴。それなら、そこだけ眺めるのもなかなかのものでは。
別に有袋類がとりたてて大好きという訳ではないが、リビングルームで、毎日、オーストラリアのイラストレーター(画家かも)、ジョアン・フックの1991年の作品を眺めているから、親近感を覚えるのは確か。珊瑚礁の熱帯魚と月夜のオポッサム(学術的には間違いで、正しくはポッサム。)である。もっとも、小生の好みは、タイの若手作家の親子猫の版画の方だが。
小生は、哺乳類の1つの科目と考えず、一大種族と見なしているからでもある。
ちなみに、東京ズーネットのどうぶつ図鑑によれば、有袋目は哺乳鋼の最初に登場しているが、その後ろに16もの「目」が並ぶ。それこそOne of themの扱い。(他:長鼻目、霊長目、ウサギ目、偶蹄目、食肉目、奇蹄目、齧歯目、翼手目、ツパイ目、食虫目、単孔目、貧歯目、有鱗目、管歯目、ハリネズミ目、アフリカトガリネズミ目)

ちなみに小生の考える4肢(1尾)動物の分類は、こうなる。
 ○両生類
 ○−○亀類
 ○−○ワニ類−//−−−−−○鳥類
 ○−○トカゲ-ヘビ類
 ○−○カモノハシ/ハリモグラ類[単孔:卵生]
 ○−○−−−−//−−−−−○有袋類
 ○−○−−−−//−−−−−○有胎盤類
動物園の展示の基本は上記のうちの「有袋類」と「有胎盤類」として欲しいと考えている訳。従って、「哺乳類」なる分類は御免蒙りたい。まあ、素人の勝手な主張ではあるが。
ただ、通念として鳥も加えるのはかまわないが、変温動物である爬虫類の展示は避けて欲しいもの。まあ、鰐だけ、鳥類似ということで加えるならよいが。
このようなシンプルでわかり易い分類にしてくれないと、素人にはそれこそ何が何やら状態になる。さっぱり動物の全体観が湧いてこないのである。
そんな考え方をすると、多摩動物公園の展示の仕方は素晴らしいの一語に尽きる。思想性を感じるからだ。

と言うことで、「オーストラリア園」をすべて回るコースを外す訳にはいかないのである。
しいて分類するなら、基本形として、草原で場所をあちこち動いて生活する動物をあげればよいだろう。乳児を袋に入れて移動できるという画期的な種。
それが、木に登り始めてついに樹上生活舎化したり、移動は面倒とあかりに穴掘りに精を出す者も出てきたということとお見受けする。そんな見方をしてよいのかはよくわからないが。

「オーストラリア園」の端は、多摩動物公園の一番の高台。ここまでエッチラコッシラと坂道を登るのはえらく厄介と思う方は、10分おきに出る無料園内マイクロバスに乗って、終点のオラウータン舎まで行くのがよかろう。オラウータン運動場前から裏へと道をさらに上り、高台へ左折する道をさらに上れば、「かささぎ広場」。眺望は無い。
(1) ワライカワセミ >>> (2013.3.9)
おそらく、展示としては、「なかよし広場」とされている場所の鳥と、1〜2位を争うぐらい観客が少ないのではなかろうか。ものおじせずにじっと見つめてくれるから、こちらもしばし見つめる位のことはしたらどうだろうか。

(2) シマオイワラビー[Yellow Footed Rock Wallaby]
左折したところまで戻り、道なりに進めば、ガラス塀の運動場。そこに、2012年に北九州のひびき動物ワールドからやってきたシマオイワラビー君がいる。日本では、この2園しか飼っていないそうだ。足に黄色の縞があるのかと思ったら、尾の表側の装飾模様だった。薄黒い縞であり、それを美しいと見るかは好みによる。
現地名はRockとなっているから、時々岩の上で立ちあがったりすすのかと大いに期待したが、そういうことではなさそう。岩上にベタ座りがえらくお好きなようなのだ。そうすると体が暖まるという訳でもないと思うが、地面にだらしなく寝そべるよりは多少は好感が持てる。要するに、岩の隙間に住んでいる種族らしい。そりゃ、地べたで寝る習慣がある訳ないと妙に納得。

(3) ウォンバット >>> (2013.3.16)
お隣がウォンバット君。森林に住む動物らしいが、そういう環境ではない。しかし、独居生活が板についているようで、天下泰平で寝ていることが多い。この寝顔というか、寝姿が人気のモト。百聞は一見にしかずである。
体躯がずんぐりむっくりだからコアラ同様に愛らしいと言えないこともないが、小生は無理があると思う。愛すべき動物と感じるのは、ココ、多摩動物公園のウォンバット君ならではと考えた方がよかろう。

(4) パルマワラビーとケナガワラルー
そのお隣にはカンガルー系の小型種がいる。
この一画で、一頭当たりの屋外運動場スペースが圧倒的に広そうなのが面白い。そのため、どこに居るのかすぐにわからないことがある。ガラス塀のすぐ下にうずくまっていたりすると、誰もいないのかと勘違いしそう。
冬は流石に寒そう。もっとも、暖かくなればなったで日向ぼっこでお昼寝三昧だから、観客にとっては、さほどの違いは無い。ただ、体を丸める程度は、気温で相当違ってくる。尚、ワラルーは、ワラビーとカンガルーほどには知られた名称ではないが、勘がまったく働かない人は別だが、その意味は自明と言ってよかろう。
名称はどうでもよいが、両者の体躯サイズは相当な差。喧嘩していないようだが、弱者は、餌をとられたり、気持ちの良い場所に行けないといった不利益を被ることはないのだろうか。

グルッと一巡したら、坂道を下りコアラ館に向かおう。

(5) フクロモモンガ
コアラ館に入ると急に暗くなる。カーテンで仕切られた部屋に入ると、目がすぐに対応しないが、1分もすると慣れてくる。個人差はあろうが。
入り口に一番近いところの展示は、夜行性のリスの風情の動物。モモンガ的な体躯らしいが、よくわからん。ペットショップで入手可能らしいが、どういうところが飼い主の機微を擽るのか想像がつかない。と言うのは、寝ていなければ、結構活発に動き回っているからだ。窓より上にいたりすると気付かないが。とても部屋で飼えるような小動物には思えないし、小さな籠では動けないからストレスが溜まりかねまい。でも、小さくて可愛いということか。

(6) ガマグチヨタカ
お隣は、豪州の夜行性の鳥。
漢字では蝦蟇口夜鷹と教えてくれているが、大人にとっては、なんとも意味深。まあ、笑う訳にもいかないから、ホラ、口が横開きに見えるだろうと子供に説明することになるのだろう。
よくよく眺めていると、こちらの動きを見ておりそれに対応して首だけ動かしている模様。飼育員さんも、観客っ時間に合わせて覚醒させているのだろうが、大変そう。

(7) フクロギツネ
目が合うことはなさそうだが、それなりの大きさの獣である。有袋類の狐と見るより、木にも登れる、雑食性ワラビーと考えた方がよさげ。ガラス近辺の床に居る時は床なんとなく、身構えていそうな感じがする。直感でしかないが。名前を見たことによる思い込みかも知れぬ。ただ、狭い部屋なので、敏捷性のほどはよくわからない。

(8) フクロネズミ
こちらはネズミの大きさのワラビーかと思いきや、まごうかたなきネズミ的体型だ。しかも、木屑のなかに埋もれているから、性格的には野生の鼠と近そう。日本の鼠よりは大きいが。どうも、たいていの人は空き部屋状態と勘違いして、探さずにすぐに離れていってしまうようだ。起きていても、顔もよくわからないとはいえ、たいして時間がかかる訳でもないから、どこにいるか探して見たら如何かと。

(9) コアラ >>> (2013.3.10)
夜行性動物展示部屋の奥、カーテンを超えればそこはコアラの飼育場。かつては連日大入り満員だったが、人気はあるものの、今やその影もないようだ。
当然ながら、この飼育場が、コアラ館の大部分を占めている。空調完備の小さな体育館といった趣。その空間が小獣3匹のためだけに使われているのだから贅沢そのもの。しかし、華美とは真逆。床は打ちっぱなしのコンクリートとくる。掃除が行き届いているから清潔そのものだが、ヒトにしてみれば余りに殺風景。なにせ、木が立たせてあり、それに横木が渡してあるだけとくる。餌の枝木の他は何も無く、閑散としている。しかし、たまにしか、地上に降りないし、1日のうち9割は樹上でぐっすりと眠りこけているらしいから、ミネラル分を別途摂取できるなら、この手の環境の方が煩わしさがなくてかえって嬉しいかも。
なにはなくとも、新鮮な生葉が毎日提供されさえすれば大満足の動物のようだし。今のところ問題なく過ごしてくれているし、繁殖も可能なのだから、ウイルスや雑菌に触れかねないような余計なことはしないに限る。いかにも免疫力が弱そうだし。
しかし、寝てばかりだから、観客にとっては、小さくて丸い、グレーの毛皮の縫い包みがあるネ以上ではなかろう。魅力的な動物展示とは言い難い。寝姿を見るだけで心が弾む方は別だが、やはり活動している姿を眺めるにしくはなし。
それを狙うなら、餌を出す時に訪問しよう。予定時刻がが発表されているから、それに合わせて行くべし。ただ、混雑度合いのほどは知らぬ。小生は、突然の時間変更があったので、行ってみたらガラガラ。お陰で、じっくり見物することができた。寝ていた筈のコアラ君が突然動きだすのには驚いた。ボケーとしているように見えるが、周囲をよく観察しているし、飼育員さんを識別しているようで、慣れないヒトが入ってくると用心しているご様子がありあり。おおらかそうに見えるが、神経が細やかな動物のようだ。観客鈴生り状態だと、コアラのそんな性情を見抜くのはとても無理。空いていそうな日を見計らっての訪問をお勧めしたい。
そうそう、コアラ館から出たところに、餌の葉を置いてくれているので、お忘れなきよう。葉に触れ、どう感じるかは人それぞれ。

○休憩場所○
コアラ館を出たら坂を下ると、コアラ下売店。休憩スペースがあるので、騒がしくなければ一休みもよかろう。暑い季節の時は、ここで冷水で口を潤すべし。

(10) アカカンガルー
休憩施設側に入ったら、そのまま突っ切っていくと、アカカンガルー君達に会う細道がある。道には柵があり、ドアを開けて入る形になる。要するに、彼等の領地に入れてもらうわけだ。どこでもいそうなカンガルーだから、結構というのなら、その下の太い道を歩いて帰路につこう。

(11) エミュー >>> (2013.3.3)
ついでながらと言うと失礼だが、アカカンガルーの大所帯のお隣にも、声をかけよう。2羽のエミュー君がいる。人懐こく、楽しい鳥である。家畜に限りなく近いということでもある。

このお隣は、どういう訳かトナカイ舎である。今回は対象外だからさっさと通りすぎ、そのまま道なりに進もう。道は広いが、なんとなく山道の感じで、鷲がたむろする大きなフライングケージ横に出るから、それに沿って降りていけば、正門からのマイクロバス道にでる。途中、左手にフクロウ君がいるので、しばし睨めっこするのも一興。ガマグチヨタカと違って相手にしてくれず無視されるかも。まあ、さっさと引き上げ、有袋類を眺め回した余韻に浸るのがよかろう。

(東京ズーネットの記事) シマオイワワラビーが仲間入り 2012/04/27


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