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2010年4月23日
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【古都散策方法 京都-その36】
体質を見抜く。[繁盛は謳歌せねば]

京都は、七福神巡りには熱意は薄いのかも。
〜京都の七福神〜
-尊- -寺社-
恵比須 ゑびす神社
(護浄院)
大黒
[甲子]
松ヶ崎 妙円寺
毘沙門
[寅]
東寺
(山科 毘沙門堂)
(廬山寺)
(鞍馬寺)
弁財
[巳]
六波羅蜜寺
(三千院弁天堂)
(妙音堂)
福禄寿 赤山禅院
(護浄院)
(遣迎院)
寿老 革堂
布袋 万福寺
(長楽寺)
(大福寺)
http://www.miyako7.jp/
http://www.asahi-net.or.jp/
 ~UY7M-SSK/kyotonara.htm
 東京との違いに気付かされるのは、七福神“巡り”が余り力が入っていないように見える点。

 小生は七福神参詣をしたことがないから状況はよくわからないが、東京では盛んなのではなかろうか。と言うのは、至るところで説明や宣伝を見かけるから。・・・浅草,千手,隅田川,江戸川,下谷,向島,深川,谷中,日本橋,銀座,亀戸,新宿,港,と枚挙のいとまもない位。どこが人気というようなものではなさそうである。
 多分、ご近所の氏神様を詣でたら、ついでといってはなんだが、折角なのだから、七福神巡りもされたら如何とのお勧めだと思う。

 京都は、町が小さいとはいえ、このような地区毎の“巡り”参拝は行われていないようで、京都全域での七福神巡りだけのようだ。東山一帯とか、広いお寺のなかに作ってももよさそうなものだ。
 と言うことは、“巡り”は好かないということではないか。

 十日えびす、初甲子、初寅といった特定のご本尊参拝は極めて盛んだが、ついでに七福神全部を参拝という風にはならないようだ。
 と言うことは、“巡り”は観光客が多いということかも。

 もともと七福神は雑炊的な輸入信仰。おそらく、発祥は京都だと思うが、“巡り”は東京の方が合うとしたら実に面白い現象である。
   → 「七福神とは」  (2006年12月27日)

 京都は周囲が寺社だらけであり、おそらく様々なところを参拝するのは当たり前なのだろう。えびす様や大黒様のご利益をとなれば、気軽に参拝に行くという感覚であってもおかしくない。手近なところの七福神というものではなさそうである。
 東京だと、お寺の存在感は余り感じさせられない。菩提寺は遠い存在なのが普通だし。従って、“巡り”は地域のお寺の存在に気付かされるよい機会でもあるということなのかも。
 京都に住んでいれば、そんな東京スタイルはまっぴら御免となりそうだ。

十日ゑびすも酉の市も同じようなものかも。
 面白いのは、“十日”えびすが盛大なお祭りである点。船に乗ってやってきた七福神のイメージがありながら、無理矢理に日本の神様として扱っているところからみて、余程気ににったのである。と言うか、宗教的に明確な箍を嵌めることができにくい神であるから、羽目をはずして祀ってもよさそうなところが人気の元なのでは。

 確か、東京の恵比寿は10日ではなく、20日ではなかったか。関西と同じように商売繁盛ということで知られているが、注目を浴びるほど人気がある訳ではない。
 恵比寿駅で考えてみると、今はなき、零細な商店が集まる市場のそばに神社がある。ここはターミナル駅ではなく、引き込み線がついたビール工場の駅というイメージが強かった。商売繁盛はお隣の渋谷駅でだが、その商店街の信仰を集めたという話は聞かない。その程度なのである。
 東京の状況はかなり違う。

 それに、東京では商売繁盛は、どういう訳か、昔から「お酉さま」。お祭の内容はよく似ているが、こちらは単なる言葉遊びの“取り込む”から来たと言われている。結構、いい加減なものである。

 京都式は、巫女さんがお祓いした福笹を頂き、好きなお飾り“人気よせ”をつける方式。商いでは本場の大阪では、“今宮戎”だが、こちらは福娘が登場する。どちらも大いに混み合う。それも又楽しということ。
 だいたい、京都の「えべっさん」は、ご高齢で耳が遠いから、拝む前に板を叩くそうで、愉快極まる風習だ。深刻な問題解決のために、じっくりと祈るのとはほど遠く、繁盛した嬉しさの発散の場となっているのだと思う。

 東京式も似たようなもの。縁起もので飾られた熊手をお店で購入する。好きなものを、好きな価格でというのが原則。これを狭い場所で行うのだから大変な人出。ただ、東京は女性が登場しないのか、となるが、それは現代での話。本家本元の神社の場所は遊郭の傍ら。
 つまり、遊興の世界とビジネスの社会が大騒ぎして繁盛を祝う儀式ということ。両方そろわないとちっとも嬉しくないのだろう。
 従って、その楽しさを消しかねない真面目な七福神巡りと同居させる訳にはいかないというのが東京の発想なのでは。

 ということで、独断と偏見でまとめれば、・・・。
〜京都の民の体質〜
- 1 - 土着感覚  地についた伝統でなければ収まりが悪い。
- 2 - 身分峻別  分相応をわきまえない信仰は落ち着かない。
- 3 - 怨念の地  権謀術数からくる祟りなどたまったものではない。
- 4 - 縁の伝承  親の信仰を粗末に扱う訳にはいくまい。
- 5 - 混沌堅持  商売繁盛は皆で謳歌したいもの。

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