→INDEX

■■■ 「古事記」解釈 [2021.3.21] ■■■
[79]かぐや姫ビジネスの元ネタ
かぐや姫はビジネスの種になっているが、それは「竹取物語」が文芸的によくできていて、人気があるからだろう。
「今昔物語集」巻三十一#33にもガイストが記載されているが、ストーリーは同じではない。📖竹取翁その取り上げ方から見て、政治的に要注意の書であることは間違いないが、、「万葉集」巻十六#3791長歌にも竹取の翁が登場するせいもあるのか、女性貴族コミュニティで大いに流行したらしい。

ベースラインは古そうだが、「古事記」に記載されるような人物を登用したところが、ウケたところかも。竹と燕石がある以上、隼人系なのは間違いないが、根底に流れるモチーフの出自はよくわからないところがある。山幸彦が、海神の宮に行った時に乗っていた无間勝間は竹籠的船と見なされている。

風刺に注目するよりは、歴史の大きな流れのなかでの、「竹取物語」を考えた方が面白そうな作品と言えよう。
と言うことで、「古事記」の当該箇所だけ眺めておくことにしたい。・・・

[9]若倭根子日子大毘毘命/開化天皇📖春日之伊邪河宮
└┬△竹野比売(旦波大県主 由碁理の娘)
│  竹野神社@東丹後丹後宮(御祭神:天照皇大神)
│   +斎宮神社(御祭神:竹野媛命 建豊波豆羅和氣命 日子坐王命)
〇比古由牟須美命
└┬△n.a. (下記2王には5息女)
┼┼├〇大筒木垂根王
┼┼││筒木=山城綴喜(隼人竹細工集団の地)
┼┼││月讀神社@山城綴喜/京田辺大住(大隅)…隼人舞発祥地
┼┼│└┬△n.a.
┼┼
┼┼└〇讃岐垂根王
┼┼┼讃岐神社@大和廣瀬/広陵三吉(御祭神:諸説)
┼┼┼
[10]御真木入日子印恵命/崇神天皇📖師木水垣宮
┌─┘
[11]伊久米伊理毘古伊佐知命/垂仁天皇📖磯城之玉垣宮
└┬△迦具夜比売
〇袁邪弁王

【注】
筒木とは、いかにも稈のある竹を示す名称である。地名としては、筒城宮@京田辺多々が中心地か。
📖有變三色之奇虫の驚きとは
隼人は、"火盛燒時 所生之子名火照命[此者隼人阿多君之祖]"としても登場する。阿多隼人(@薩摩半島)居住地は別。…
阿陀比売神社@大和五俊阿陀

「古事記」の竹記載はいくつかあるが、竹の霊威に関係しているような記述にはなっていない気がする。
もっとも、国譲りのシーンではなにか示唆するところがあるのかも知れないが。
目立つのは、[21]大長谷若健命/雄略天皇妻問いに当たっての御製。
この地域は、東征敗退地でもありそうだが、隼人の植えた竹だとしても、竹を取り上げる意味は読めない。
  日下辺の 此方の山と
  畳薦 平群の山の 此方ごちの
  山の峡に 立ち栄ゆる 葉広熊樫
   本には い組み竹
[陀氣]生ひ
   末方には た繁竹生ひ
  い組み竹 い組み宿ず
  た繁竹確には率宿ず
  後も組み宿む 其の思ひ妻 憐れ

この次の、[22]白髪大倭根子命/清寧天皇の段でも2王子発見でも竹が歌謡に登場してくる。何らかの出自を示唆しているのだろう。

 (C) 2021 RandDManagement.com  →HOME