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2003.9.4
 
 


Fortune500を読む(34:日本の問題産業)…

業種別企業数 世界 日本
銀行
証券
生保(相互+株式)
損保(相互+株式)
多角化金融
62
4
32
17
6
6
0
8
3
0
専門小売
食・薬小売
GMS(大規模量販)
食品/グローサリー卸
ヘルスケア卸
電子部品/オフィス機器卸
商社
13
23
12
4
6
2
16
0
2
1
0
1
0
9
エンジニアリング/建設土木
石油・ガスの機器とサービス
10
2
6
0
 (出典) Fortune 2003年7月21日 F-32
 「Fortune 500」にランクインした日本企業のうち、資産の劣化や過剰債務への対応を先延ばし、不調に陥っている産業領域(金融、不動産、ゼネコン、流通)に属すのは、銀行6社、生損保11社、小売3社、商社9社、ゼネコン5社である。

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銀行保険小売商社ゼネコン

 日本企業88社のうち、これらの企業だけで、実に34社にのぼる。

 この産業領域は、古い取引慣行を利用して業容を急拡大し、繁栄を謳歌してきた。
 要するに、発展途上国スタイルの経済環境で成功してきたのである。ところが、先進国型の経済になれば、今までのビジネススタイルでは適合できなくなる。生き延びるためには変身しかない。
 にもかかわらず、変身を避けつづけてきたのが、この領域の特徴である。

 従って、現状では、グローバルな企業比較は、意味が薄い。そもそもが、グローバルな競争を避けているからである。

 もっとも、この領域にも、国際的に見ても、優れたマネジメントシステムや競争力を発揮できる企業は存在している。

 本来なら、そのような優良企業が、産業構造を一変させる動きを始める筈だが、日本ではそのような動きは出てこない。勝ち組みの成功を許さないのだ。
 驚くことに、海外で「ゾンビ」と揶揄されている企業への大規模な援助が、何時までも続く。産業領域全体でみれば、過剰である資産や、不要業務の削減をさせないのである。

 要するに、優良企業が手にできる収益を、経営危機に直面する企業に移転させる政策である。当たり前だが、この産業領域の生産性は落ちる一方だ。この政策が続く限り、この領域から、グローバル市場で活躍する優良企業が登場する可能性は極めて低い。


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