表紙 目次 | ■ 分類の考え方 2014.9.19 ■ 軟骨魚の位置付け 脊椎動物の元祖とされる「魚」の定義はどうなっているのかよくわからないところがあるが、脊椎の有無がポイントか。生態の複雑化が進化だとの「一般常識」に照らせば、情緒的には成程感があるが、生活上その機能上での飛躍としてはどういう意味があるかはわかったようなわからないような。 → 「化石祖魚を俯瞰すると」 [2014.9.9] → 「魚の進化を考えさせられた」[2014.8.31] ただ脊椎動物で一番簡単な構造の現生種と言えそうなツメウナギやヌタウナギを魚と呼ぶ気にならない。鰻は鰭が退化したという例外的魚だが、こちらはそういう手の生物ではないから、一般人にとっては蛇的生物で魚扱いし難いものがあるから。それに、顎が無く、食べ方が異様だし。 そうなると、「魚」として、一番古い形態を感じさせるのは、やはり怪魚「銀鮫」か。 → 「ぎんざめの話」[2014.10.17] → 「怪魚銀鮫の仲間を」[2014.10.18] ・・・という話をしてきた。 ここで、どうにも気になるのが、イメージ上えらくかけ離れた怪魚を、「鮫」と呼ぶセス。土着民がそう呼んでいた例があるとはとても思えないからでもある。 つまり、えらく頭でっかちな命名ということになる。 要するに、「鮫」こそが、魚の一番古い種であると言いたいのだろう。 小生は、そのような見方はどうかと思う。 → 「鮫族の魚名は殊の外難しい」 [2014.9.10] → 「鮫の写真集は思想本でもある」 [2014.9.12] 「鮫」型生物はデボン紀化石で確実に見つけることができるようだが、古生物学者の指摘を読んでみると、それらはペルム紀に絶滅しているようだ。つまり、化石とそっくりな種が現生種で見れる訳ではないということでは。 つまり、現代のサメの原形は、デボン紀あるいはそれ以前ではなく、白亜紀と考えるべしと主張していると考えるべきでは。 鋸例えば、鮫類が定着したのはどうも白亜紀後期らしいが、そのような見方をすれば、鰊は前期となろう。 しかも、鮫一族は、シーラカンスや肺魚 のように、いかにも絶滅を逃れて生き延びてきた種ではない。 獰猛なオオメジロザメの類縁など、熱帯から温帯まで世界中の海に棲息している上に、淡水環境でも生きていたりと、様々なタイプの種が存在している。 ・・・と言うことで、何度もしつこいが、「鮫」が古代を彷彿させる魚との見方は止めた方がよいと思う。 以下は、単純から複雑へという進化のドグマをそのまま当てはめた時の軟骨魚の位置である。 素人からすれば、何故に鎧を着た魚類と、沢山の棘鰭を持った魚類は絶滅したのか。そのシナリオが欲しいところ。痕跡的にでも残存できる場所があってもよさそうに思うのだが。 逆に言えば、どうしてサメ、エイは、広範囲に棲息することができたのかの理屈も欲しい。 _ ↓ │【脊索】・・・痕跡的に残存 │┌───頭索 ナメクジウオ ├┤ │└───尾索 ホヤ ↓ │【脊椎】・・・痕跡的に残存 │┌─── ヌタウナギ ├┤"円口" │└─── ヤツメウナギ ↓ │【歯・鎧】・・・完璧に絶滅 │┌───錐歯>[コノドント/Conodonts] │├───翼甲 ├┤ ・プテラスピス/Pteraspis →姿@Wiki │└──甲皮・・・ほぼ小型 │┼┼┼├頭甲・・・底生 │┼┼┼├欠甲・・・遊泳 │┼┼┼│ ・Cowielepis →姿@Wiki │┼┼┼├翼甲・・・中間 │┼┼┼└腔鱗 ↓ │【有顎/"Jawed"】 │┌──板皮・・・完璧に絶滅 ├┤ │└──軟骨魚 │┼┼┼├全頭類 ギンザメ・・・痕跡的に残存 │┼┼┼└板鰓類 サメ、エイ・・・極めて広範に生存 ↓ │【真口】 ├────棘魚類("Spiny sharks")・・・完璧に絶滅 │ →姿@Wiki ↓ │【硬骨/"Bony"】 │┌───軟質 チョウザメ・・・痕跡的に残存 ├┤<条鰭魚類/"Ray-finned"> ││┌──全骨魚類 ガー,アミア・・・痕跡的に残存 │└┤ │┼└──真骨魚類・・・極めて広範に生存 │ ↓【肉鰭/"Lobe-finned"】 │┌───肺魚/Lungfish・・・痕跡的に残存 ├┤肉鰭魚類 ││┌──管椎 シーラカンス・・・痕跡的に残存 │└┤総鰭類 │┼└──扇鰭[両生類的]・・・完璧に絶滅 ↓ │【四肢/"Tetrapods"】 │ (C) 2014 RandDManagement.com |