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■■■ 2015年4月26日 ■■■

十腕内殻貝類…

 
 烏賊船を 拾って嬉し 春の浜
  花弁乗せて ほろ酔い気分


<頭足類>は、貝類を中心とする軟体動物に属し、イカ、タコ、オウムガイ、コウモリダコや絶滅したアンモナイト等を含むと覚えさせられる。
このうちの、タコ[蛸,鮹 or 鱆/Octopus/章魚 or 八爪魚]を、八腕貝類と名付け、無殻(蛸)と有殻(葵貝)に分けてみた。
ビーチコーミング向きに分類を勝手にアレンジしたにすぎない。[→]

せっかくだから、イカ[烏賊/Cuttlefish/管鱿 or 槍形][→2005年8月26日]も同様な命名でいこうか。
こちらは十腕貝類となる。
タコと違って、体の内側に殻がある。十腕内殻貝類となろうか。

内側と言っても、イカの形状は「筒 v.s. 甲」であるから、両者はかなり違う筈である。

筒烏賊の場合は、プラスチックの薄くて平たい棒が入っているのは誰でもがご存知の通り。軟い骨であって、殻とは言い難い。流石に、こんなものが流れ着いても拾う気にはなれまい。尚、見かけでまとめた分類でしかない「筒 v.s. 甲」は、学術用語から抹殺されつつあるようだ。
コウイカは眼で2分類らしい。
●軟平棒骨閉眼・・・開放的な眼ではないらしい。
 槍烏賊/Spear squid/長槍烏賊
 ヨーロッパ大槍烏賊/Veined squid/-
 剣先烏賊/Swordtip squid/  剣尖槍烏賊
 障泥[アオリ]烏賊/Bigfin Reef Squid/香匙 or 大尾
  ↑中国語彙は色々。美味賞賛か。[→2008年10月3日]
 神頭烏賊 or ヒイカ/Japanese squid/-
●軟平棒骨開眼・・・眼球覆膜が無く水晶体露出。世俗的には浮遊性卵。
 鯣[スルメ]烏賊/[→2009年1月23日]
 袖烏賊/[→2008年12月5日]
 アメリカ大赤烏賊/Humboldt squid/-
 大王烏賊/Giant Squid/巨烏賊
 螢烏賊/Firefly squid/螢火

甲烏賊になると、大分異なるタイプの殻が入っていたりする。切断して楊枝に使う呑み屋もあるが、それは好事家店主がいる場合だけか。
たいして役に立つとは思わないが、ビーチコーミングでは自然物ということでゴミ扱いされず結構人気であると耳にしたことがあるが、どこまで本当なのかはわからず。
当然ながら、「内殻」は、甲の形に合わせたボート状である。もちろん殻と呼ぶ人はいない。烏賊骨だが、訓でなく、音読みにするところがツウなのだという。これも、一般的に通用する話なのかは定かではない。
尚、甲"殻"の機能は潜水艇同様の浮力調整と見られているようだ。実験する訳にもいかぬだろうから、推測だろう。浮き上がって、死んだふりをして烏を呼び寄せ、すかさず海に引きずり込む恐ろしき生物という話に合わせた仮説のような気がしないでもないが。
(photo) 久保田信&奥谷喬司:「和歌山県白浜町に所在する京都大学瀬戸臨海実験所“北浜”に漂着した頭足類(軟体動物)」京都大学瀬戸臨海実験所年報 第27巻 http://hdl.handle.net/2433/193455(2015)
ちなみに、以下のように分類してみた。もちろん、学問的なものではない。
●小舟甲
 "コブシメ"/Giant cuttlefish/白斑烏賊
 トラフ甲烏賊 or 紋甲烏賊/Pharaoh cuttlefish/
 甲烏賊
 ヨーロッパ甲烏賊[→2009年1月16日]
 獅子烏賊
 薄紅甲烏賊
 手長甲烏賊
 尻焼甲烏賊
●軟甲
 団子烏賊
●欠甲・・・これは十腕無殻貝類としたい。
 姫烏賊
●螺殻
 蜷局[トグロ]甲烏賊/Ram's horn squid/旋烏賊

トグロとは良く言ったもので、内殻は冒頭の写真でおわかりのように、まさに鸚鵡貝を彷彿される形状。もちろんのこと深海棲である。しかし、熱帯の浜辺で見かけることは少なくないそうだ。日本にも辿り着く。専門家やマニアは家で密かに眺めていそう。
葵貝ほど感嘆することはないが、これが"イカ"の造形物と聞かされれば誰だって驚く。一体どんな体つきなんだと。絵を見る限りでは、確かに十腕で甲状であり、"イカ"そのもの。
"タコ"同様に、"イカ"にも、殻を作る能力があるのだと気付かされる訳だ。確かにこれは貝類。
ついでながら、「鸚鵡貝/Nautilus/鸚鵡螺」だが、多腕外殻貝類としたい。[→2007年1月5日]貝殻形状も、殻と体が一体化しているという構造も、いかにも蝸牛的で、そちらの同類にしたいところだが、水族館で泳いでいる姿を見ればコリャとんでもなく違う生き物であることが一目でわかる。"タコ"、"イカ"、"オウムガイ"は、素人からすれば多椀族そのもの。
こちらの貝殻はもっぱら売り物である。化石の「アンモナイト/Ammonite/菊石」も人気商品と聞いたことがあるが、両者が並んでいる売り場は無いかも。

分類学では、この3種以外に、烏賊とも蛸とも知れぬ、中間的な生物が存在するという。「蝙蝠/Vampire Squid/吸血烏賊」である。なかなかのセンスの命名といえよう。もちろん日本語の方。海外はセンスを疑うようなトンデモ用語。地中海沿岸のイカ食を嫌うあまり、ココぞとばかり、不快感を表明したかったと見える。
小生的民俗分類用語だと、これは八腕的十腕貝類となる。はてさて、この場合、殻はどうなっているのだろうか。

これで現代民俗的な<頭足類>分類全体骨格が出来上がったことになる。有腕貝と呼ぶことになる。もちろんのことだが、無殻系と軟平棒骨は、貝拾いの対象とはならない。
(尚、小生は、タコも、イカも、オウムガイも、「足」という名称はやめ、「腕」とすべきと考えるクチ。)
---「有腕貝」の一族---
多腕 外殻 貝類(蝸牛形殻)
十腕 内殻 貝類
 筒型体型
  軟平棒骨(閉眼+開眼)
 甲型体型
  小舟甲
  軟甲
  螺殻
十腕 無殻 貝類(欠甲)
八腕的十腕 貝類
八腕 外殻 貝類(葵葉形殻)
八腕 無殻 貝類
 扁平型
 ふっくら型
 異質型

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