表紙 目次 | \ ■■■ 2018年1月13日 ■■■ へらむし …箆型といってもピンとこない時代であり、靴ベラと言った方がよいかも。もっとも、写真からはそんなイメージはでてこないが。脚に目がいくと、その様相は、蝦系列と言うよりはゲジ。しかし、体の割に触覚が目立っているし、その基部側面に目があるので、そこにこだわるとコリャ海老となる。それに、尾の存在に気付くからである。 マ、海中の小さな船虫といったところ。 腐食物を好む雑食性との記述を見かけるが、それは鬼七節(当該昆虫に似ているというのではなく、体節が目立つのだろう。)にはあてはまりそうだが、よく見かける類はもっぱら海藻食の種ばかり。(流れ藻に引っ付いて見つかることが多いせいもありそう。)ともあれ、環境に応じた食対応で種の分化が進んだようである。 尚、意外といってはなんだが、箆虫をよくご存知なのは磯釣り愛好家だという。釣果の胃袋に収まっていることが多いせいである。消化しにくいというより、箆虫食事中についつい突然やってきたジグに目を奪われてしまったのだろう。 小粒虫のところではご紹介しなかったが、"帰ってきた『こつぶ荘』!! 〜 こつぶ白書をもう一度... 究極ひきこもりコツブムシと何してんすかヘラムシ先輩 〜"という企画展があったらしい。この分野の生態研究家(職業:造形作家・インド古典音楽演奏家)の生物種展示の力作。[→(C) 博物ふぇす] (参考) 五嶋聖治,et al.:「ヘラムシ類の生活史と繁殖生態」Cancer 25, 2016 末尾に等脚グループの割愛した集団と、すでに記載した集団の名称をあげておいた。 このうち、砂七節(体長2mm以下)は鬼七節(体長4cm程度)の仲間ではなく、水虫の近縁らしい。 希少種だらけだが、古代地理学的分布状況を示していると見られているようだ。閉鎖的な環境に閉じこめられたのでほとんど当時のママで残ったということになる。 節足動物 甲殻類 【軟甲】 《木葉蝦Phyllocarida》 《棘蝦Hoplocarida》 《真軟甲亜綱 Eumalacostraca》 {厚蝦Syncarida} {本蝦Eucarida} {嚢蝦Peracarida} ◆ : ◆等脚Isopoda □箆虫[ヘラムシ]Valvifera (sea centipede) -Antarcturidae -Arcturidae ○Arcturus・・・オニナナフシ 鬼七節(crassispinis) …水深20〜250m砂泥底棲 槍鬼七節(crassispinis) ○Neastacilla 棘姫七節(spinifera) -Chaetiliidaeトガリヘラムシ ○Symmius・・・ヤリボヘラムシ…鎌脚 ヤリボ箆虫(caudatus) -Holognathidae ○Cleantioides・・・ホソヘラムシ 細箆虫(planicauda) -Idoteidae ○Cleantiella・・・フトヒゲヘラムシ 磯箆虫(isopus)…変色タイプ多数 尾開箆虫(strasseni) ○Idotea・・・オホーツクヘラムシ オホーツク箆虫(ochotensis) バルチック箆虫(baltica) 流藻箆虫(metallica) 丸尾箆虫(rotundata) ○Synisoma・・・ナガヘラムシ 黒潮長箆虫(pacificum) 〇Synidotea・・・ワラジヘラムシ 草鞋箆虫(laevidorsali) 蝦夷箆虫(ezoensis) □砂七節Microcerberidea -Atlantasellidae -Microcerberidae 〇Microcerberus 紀伊砂七節(kiiensis) □カラボゾアCalabozoida…地下棲希少 -Calabozoidae ○Calabozoa (pellucida)@ベネズエラ井戸 □Phoratopidea -Phoratopodidae ○Phoratopus (remex)@南豪州 希少 □Tainisopidea -Tainisopidae ○Tainisopus (fontinalis)@北豪州 希少 □フトアトイクスPhreatoicidea …淡水棲@豪州, NZ, インド, 南ア -Amphisopodidae ○Amphisopus (annectens) @豪州 -Phreatoicidae ○Onchotelson (brevicaudatus) @タスマニア絶滅寸前 □水虫Asellota [→] □魚ノ餌Cymothoida [→鯛の福玉] □木喰虫Limnoriidea [→] □草鞋虫Oniscidea [→団子虫] □小粒虫Sphaeromatidea [→海蝉] 「動物」の目次へ>>> トップ頁へ>>> (C) 2018 RandDManagement.com |