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■■■ 今昔物語集の由来 [2020.5.17] ■■■
[322] 佛陀二大弟子
巻三の冒頭は弟子譚が6話続く。[→]
  【天竺部】巻三天竺(釈迦の衆生教化〜入滅)
  -----《1-6 直弟子》-----
  -----《7-27 衆生救済》-----
    -----《7-12 衆生救済:異類(龍&鳥)救済》-----
    -----《13-15 衆生救済:転生》-----
    -----《16 衆生救済:現世転身》-----
    -----《17-18 衆生救済:阿羅漢への罪を許す》-----
    -----《19-20 衆生救済:供養》-----
    -----《21 衆生救済:−》-----
    -----《22-24 衆生救済:貪欲者教化》-----
    -----《25-26 衆生救済:仏法未伝地区教化》-----
    -----《27 衆生救済:大逆罪王教化》-----
  -----《28-35 涅槃告知〜仏舎利分骨》-----

最初に登場するのは浄名居士という在家であり、大乗仏教らしさを醸し出している。次が文殊菩薩だが、おそらく西域信仰の要たる実在の修行者。いかにも、インターナショナルな宗教らしい並びだ。
残りは、釈尊の2大直弟子、目連と舎利弗である。代表としては、釈尊の代理的に法事を務める舎利弗であることを示す話を掲載しているし、この直弟子に従うのが羅羅と阿難らしいことが、なんとなくわかるように描かれている。

目連と舎利弗に関する話はなんということもない。ご教訓を垂れるような内容とは言い難い。
  [巻三#_1]天竺舎離城浄名居士語 [→維摩居士]
ご教訓法を聞かむが為に詣でたる功徳、此の如き也。
  [巻三#_2] 文殊生給人界語 [→文殊菩薩] [→文殊化身] [→豚頭金色天人]
ご教訓内外典を世に弘めて、
    末世の衆生に善悪の報を知らしめ給ふ事は、
    此の文殊の御力也。

  [巻三#_3]目連為聞仏御音行他世界語
事象目連、此れを聞て、歓喜して、本土に返ぬ。
    仏の御音の不思議なる事を、弥よ信仰して、
    頂礼ひ奉りけり。

  [巻三#_4]舎利弗攀縁暫籠居語
事象時に舎利弗、仏の教に随て、
    国の内の諸の人の請を受て、仏事を勤めける事、
    本の如く也けり。

  [巻三#_5]舎利弗目連競神通語
事象仏の御弟子達も、此の如きの挑事をし給ふ也けり。
感想増して、末代の僧の智恵験を挑まむは尤裁り也かし。
  [巻三#_6]舎利弗慢阿難語 [→釈迦族出自]
  ⇒玄奘:「大唐西域記」@646年 六室羅伐悉底国シラーヴァスティー
          …現サヘート・マヘート遺跡群

ご教訓末代の比丘等、此の事を聞き、
    必ず袈裟を着して、人の施を受くべし。
    亦、尤も呪願すべき也.


《目連》仏の声に疑心
 御弟子目連尊者は神通第一。
 大勢のお弟子さん達に、
 「我らの師、仏の御声は、どこでお聞きしても、
  常に同じ様に、すぐ側であるかのように感じる。
  と言うことで、
  神通力で遥か遠くに行って、仏の御声を聞いてみようと思う」
 と言い、
 三千大千世界を飛び過ぎ、
 さらに西方にある無量無辺不可思議那由他恒河沙の国土も過ぎて
 お聞きしたがその通りだった。目連尊者は疲労困憊し落下。
 その場所は、仏世界でそこの仏の弟子である比丘達が、座して食事中。
 そこで、その鉢の縁につかまり、暫く休息していた。
 すると弟子達は目連を見つけ、
 「鉢の縁に僧衣を着けた沙門に似た虫がいる。
  何たる虫かね?」
 と言って、皆で嘲笑。
 その国の能化の仏がそれを見ており
 弟子の比丘達に申された。
 「汝等は、愚痴である。
  虫ではない。
  ここから東方、無量無辺の仏国を過ぎた先に娑婆世界と云う国がある。
  そこに、釈迦牟尼仏と申される仏が出現なさった。
  そこに居るのは、その仏の神通第一の御弟子 目連である。
  師の釈迦如来の声は、遠くても近くても同じ様に聞こえるので、
  それを疑ってしまい、
  遥か遠くからやって来たのだ。」
 と説かれた。
 弟子達は皆歓喜。目連も又歓喜。
 本土に戻った目連尊者は仏の御声の不思議さを実感しさらに信仰を噴火
 頂礼奉ったのである。


釈尊が語る《舎利弗》前世譚 《羅羅》が切欠
 各地の御弟子達が、安吾が終わりったので
 釈尊の御前に参集してきた。
 舎利弗と羅羅は御前の左右に坐した。
 釈尊は羅に尋ねた。
 「我が弟子達は、誰を上座としているのか?」と。
 羅羅は
 「舎利弗が上座でございます。」と答えた。
 そこで、二人をご覧になった。
 舎利弗は肥満、色白。宿徳の年功を積んだ高徳の僧。
 一方、羅羅は痩身、色黒で骨が浮き出している。
 そして仰せに。
 「どの様な理由で、舎利弗は肥えているのか?」
 羅羅は
 「智恵が優れており、国中の貴賤が皆師とされるお方。
  そこで、美味で珍しい食べ物が供せられます。
  その結果、肥満に。
  羅羅はそうではございませんので 痩せております。」
 と答えた。
 釈尊は、
 「我が法では蘇油を食べることは許さない。
  どうして、舎利弗は肥えたのだろうか。」と仰せに。
 舎利弗はこれを聞くと、心配になり、身を隠してしまった。
 それからというもの
 国王・大臣・長者・諸官等々が舎利弗に贈物を届けようとしても、
 受け取ってもらえなくなった。
 そこで、皆々が揃って御膳に参上し
 「仏。
  願わくば、舎利弗をお召しになって、
  "我等の招待を受けるように。"とおっしゃって下さ
  大師は我我等の招待をお受けになられませんし
  舎利弗も同じようになってしまいますと
  仏事を勤めることができなくなってしまいます。
  どうしたらよろしいでしょうか?」
 釈尊は因縁を語った。
 「舎利弗の前生は毒蛇。
  その習性から、反抗しているのだろう。」と。
 そして、早速に利弗を召し、招待を受け仏道の師となるように指導。
 舎利弗はそれに従い、国中の諸々の人々の腸帯を受け入れ
 以前のように仏事を行った、


《舎利弗》v.s.《目連》の神通力競争
 祇園精舎の釈尊のもとに、大勢の御弟子たちが参集。
 舎利弗は到着していなかった。
 そこで、釈尊は目連に仰せに。
 「速やかに舎利弗の所に行き、連れて来るように。」と。
 そこで、目連はその御言葉を舎利弗に告げたが、
 舎利弗は帯を解いて地面に置いており、僧衣を繕っていた。
 舎利弗:「汝は神通第一。地面に置いた帯を動かしてみよ。」
 ところが、目連の神通力では全く動かない。
 須弥山も大地は震えたのだが
 舎利弗:「汝は速やかに先に行くように。我は後から参ろう。」
 目連はすぐに帰参したが、
 すでに釈尊の御前には威儀を正した舎利弗が座していた。
 目連は不思議と思ったが、特段、問うこともしなかった。
 神通第一と言われているが、
 舎利弗が優っていることを知ったからである。


【佛陀弟子】
 【最初期僧伽:五比丘】
  阿若陳如
  阿説示
  摩訶摩男
  跋提/婆提梨迦 …*
  婆敷
  耶舎(名称)…六番目
 【主要弟子】 ➉:佛學大辭典十大弟子
  舎利弗…智慧第一❷➉
  (摩訶)目連…神通第一❷➉
  大迦葉/摩訶迦葉…頭陀第一
  阿那律…天眼第一
  須菩提…解空第一
  富楼那(弥多羅尼子)…説法第一
  (摩訶)迦旃延…論議第一
  優波離…持律第一
  羅…密行第一
  阿難陀…多聞第一 …*
  梵波提/迦為抜抵(牛相)…解律第一
  (摩訶)倶羅/拘祉羅(膝)…答問第一
  (摩訶)劫賓那/金毘羅…知星宿第一
  薄拘羅(善容)…無病第一
  賓頭盧(不動)…獅子吼第一
  莎伽陀(悪来⇒善来)
  鴦掘摩羅(指鬘)
  周利槃特(小路)…愚路 兄:摩訶槃特(大路)
  首楼那(黄金)
  畢陵伽婆蹉(悪口)
  和羅(護国)
  離婆多(室宿)
  富蘭那迦…初期の弟子 波羅奈國長者
  須跋陀(好賢)…最後の弟子
 【釈尊三庶子】
  優波摩那
  (⇒羅羅)
  善星/修那刹帝羅…違背
 【釈尊兄弟】
  孫陀羅・難陀(艶麗)
 【迦葉三兄弟】
  優楼頻螺・迦葉
  那提・迦葉
  迦耶・迦葉
 【六群比丘】
  難途(歓喜)
  波難陀/跋難途(賢歓喜)
  阿説迦(馬宿)
  補捺婆素迦(滿宿)
  闡那/闡陀/車匿(楽欲)
  迦留陀夷(黒曜)…教化第一 達多太子宮廷教師
 【阿羅漢】
  <十六羅漢>@「法住記」
  <五百羅漢>…第1回結集
 【比丘尼】
  差摩/讖摩…智慧第一 頻毘娑羅王后
  優鉢羅色(蓮華色)
  跋陀羅迦毘羅耶(賢色黄女)…大迦葉元妻
  菴摩羅(女)…遊女
  (摩訶)波闍波提/瞿曇弥…最初の比丘尼 釈迦叔母&養母
  孫陀羅難陀…波闍波提の子
  耶輸陀羅…釈尊妃(子:羅羅)
  摩登伽女

【阿難弟子】
  末田地/末田底迦
  商那和修
  └優婆

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