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■■■ 「古事記」解釈 [2021.8.25] ■■■
[236] 序文冒頭要約部の補註
飛鳥清原大宮天皇讃漢詩読解(📖【1】 📖【2】 📖【3】 📖【4】 📖【附】)と言うことで、序文を眺めてみたが、折角なので、冒頭の要約部についても、すでに簡単に触れているものの📖古代信仰推測に方法論あり、手間が多少かかるだけに過ぎないので、同様に検討してみることにした。

臣 安萬侶 言

《混沌》  [「老子」 (匯校版)]

混元既凝
氣象未效

<夫それ
┌─<混元> ≒元氣
│  道⇒混元の一氣(元氣)⇒陰陽二氣⇒萬物生成
│  道生一,一生二,二生三,三生萬物。
│    萬物負陰而抱陽,沖氣以為和。[四十二章]
│  有物混成,先天地生。[二十五章]
│┌──<既>
││┼┼┼<凝> こ-る
└│<氣象>
└──<未>
┼┼┼┼┼<效> なら-う ⇒ {俗字}き-く

無名無爲
誰知其形

<無名>
   道常無名,樸。[第三十二章]
   道隱無名。[第四十一章]
    <無爲> 自然のママ(無作為)
      人法地,地法天,天法道,道法自然。[二十五章]
<誰知其形>

❶《造化3神
   ⇒二靈(伊邪那岐命+伊邪那美命)
   ⇒群品之祖(国生み・神生み)

乾坤初分 參~ 作 造化之首
陰陽斯開 二靈 爲 群品之祖

<然そのように
┌─<乾坤> 八卦の天地
│┌──<初
└│<陰陽>
└──<斯> か-く(これまで/終局)

❷《洗目(天照大御~+月読命)
   ⇒滌身(海神)
所以
出入幽顯 日月彰 於 洗目
浮沈海水 ~祇呈 於 滌身

<所以ゆえになり

伊邪那岐命┬(穢れ)伊邪那美命
┼┼┼┼┼(禊 1…滌身)
┼┼┼┼┼├─神々☚順番が後回し
┼┼┼┼┼(禊 2…洗目鼻)
┼┼┼┼┼├─天照大御神@目・・・日
┼┼┼┼┼├─__命@目・・・月
┼┼┼┼┼└─須佐之男命@鼻・・・海原☚無視

❸《太安万侶の解説》

太素杳冥 因本教 而 識 孕土 產嶋之時
元始綿邈 頼先聖 而 察 生~ 立人之世

┌─<太素> 最原始的物質
│  太素者,質之始也。[「列子」天瑞]
│┌──<杳冥> ≒幽暗 くら-い/はるか+くら-い
└│<元始> 起始
└──<綿邈> ≒悠遠 つら-なる/こま-かい+とおい

🈚須佐之男命狼藉追放〜天岩戸☚無視
🈚出雲(須佐之男命〜大国主命)☚無視

❹《継承の基本思想》
寔知
懸鏡吐珠 而 百王相續
喫劒切蛇 以 萬~蕃息

議安河 而 平天下
論小濱 而 淸國土

<寔まことにしる
┌─┬<懸鏡> ③天岩戸
└<吐珠> ②誓約(天照大御神の珠)
│┌──<百王相續>☚王≠天皇
└│┬<喫劒> ①誓約(須佐之男の剣)
│└<切蛇> ④八岐大蛇
└──<萬~蕃息> 繁殖搗ス
<與ともに
┌─<安河> 八百万神々@高天原
│┌─<天下>
└─<小濱> 遣使 建御雷神@出雲
└─<C國土>
天照大御神差配の地の神々と出雲の神々の対比として描かれており、前者は永続的に順次継承されるが、後者は滅茶苦茶な乱立状態ということか。

❺《天孫降臨⇒東遷》
是以
番仁岐命 初降 于 高千嶺
~倭天皇 經歷 于 秋津嶋
化熊出川 天劒獲 於 高倉
生尾遮徑 大烏導 於 吉野
列儛攘賊
聞歌伏仇

<是以ここをもちて
┌─<[祖]番仁岐命> 
│┌<初降→><高千嶺> 【降臨】
└│<[初]~倭天皇> 
<經歷→><秋津嶋> 【東遷入畝傍】
┌─<化熊出川>
│┌─<天劒獲><高倉>
└│<生尾遮徑>
└─<大烏導><吉野>
┌─<列儛>☚該当シーン不明
│┌─<攘賊>
└│<聞歌>
└─<伏仇>

🈚海神宮(山幸彦海幸彦)

❻《神功・仁徳&成務・允恭》

覺夢 而 敬~祇 所以 稱賢后
望烟 而 撫黎元 於今 傳聖帝
定境開邦 制 于 近淡海
正姓撰氏 勒 于 遠飛鳥

<卽すなわ-ち
    📖近淡海と遠飛鳥に注目する由縁
┌─<覺夢>→~祇> 【祭祀】
│┌─<賢后> [14皇后]息長帯日売命/神功皇后/仲哀天皇后
└│<望烟>→黎元> 【善政】[黎元≒民]
┼┼┼思安黎元,在于建侯,分州正域,以美風俗。[「漢書」王莽傳中]
└─<聖帝> [16]大雀命/仁徳天皇
┌─┬<定境開邦> 【行政区画制定】
└<制> 規定
│┌──<"近"淡海> [13]若帯日子天皇/成務天皇
└│┬<正姓撰氏> 【氏姓改革】
│└<勒> 統率/強制
└──<"遠"飛鳥> [19]男浅津間若子宿禰王/允恭天皇
壬申の乱[近江朝(大友皇子)⇒飛鳥朝(大海人皇子)]を想起させる地名でもある。

❼《[結論]速度・手法は色々だが対応怠らずの歴史》

步驟各異
文質不同
莫不
稽古 以 繩風猷 於 既頽
照今 以 補典教 於 欲絕

<雖いえども
┌─<步驟> 指緩急 ある-く/あゆ-むにわか/はせ-る
│┌──<各異>
└│<文質> 文華&質朴☚儒教用語
子曰:"質勝文則野,文勝質則史,文質彬彬,然後君子。"[「論語」雍也第六]
└──<不同>
<莫不> しないものはない
┌─<稽古> 考察古事☚日本の現代四字熟語
┼┼然胡不審稽古之治為政之說乎。[「墨子」尚同下]
│┌─<繩> ただ-す
││└<風猷> 風教コ化
││┼┼風猷被有截,聲教覃無外。[中宗祀昊天樂章 凱安@「全唐詩」卷10郊廟歌辭]
││┼┼└<既頽> すで-に くず-れる/すた-れる
└│<照今> 
不知娉婷色,回照今何似。 劉長卿:「雜詠八首上禮部李侍郎」@「全唐詩」卷148
└─<補> おぎな-う
┼┼┼└<典教> 典章教化
┼┼┼┼今吳承闔閭之軍制,子胥之典教,政平未虧,戰勝未敗。[「吳越春秋」]
┼┼┼┼└<欲絕>
┼┼┼┼┼┼塞其兌,閉其門,塞閉之者,欲絕其源。[「老子」河上公章句]

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