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■■■ 「古事記」解釈 [2023.7.18] ■■■
[748] 太安万侶:「漢倭辞典」𣦸薨
現代でも、<死>の言い換えはとてつもなく多様多種。・・・
死亡 死去 死没 逝去 急逝 永逝 長逝 永眠 大往生 昇天 他界 物故 御臨終 絶命 斃死 入寂 入定 遷化 登仙 成仏・・・ (崩御 薨去 薨御)
亡くなる 息を引き取る/息が絶える/事切れる 身罷る お隠れになる 露と消える あの世に往く/仏になる/涅槃に至る/天に召される/鬼籍に入る 帰らぬ人となる 旅立つ 土に還る 没する・・・
千の風になる 長い生涯に終止符を打つ 空のお星さまになる・・・
お陀仏 一巻の終わり 花と散る・・・


ニュアンスを大切にする風土であると言っても、ここまでくると驚異的。

その性情は、すでに「古事記」の記述で見て取ることができるかも。・・・

---① 基本表現(人が骨になる。)
死/𣦸23…📖死の概念の変遷
一日必千人死 於梭衝陰上而死 卽於其石所燒著而死 其父大~者思已死訖 中天若日子寢朝床之高胸坂以死 「我子者不死有"祁理"」 「我君者不死坐"祁理"」 「我者愛友故弔來耳何吾比穢死人」 「負賤奴之手乎死」 乃己所作押見打而死 伇病多起人民死爲盡 卽射建波爾安王而死 宇氣比其鷺墮地死 取懸樹枝而欲死 遂墮峻淵而死 遂叫哭死也 「天皇既所以思吾死乎・・・猶所思看吾既死焉」 迦豆岐勢那和卽入海共死也 乃給死刑也 卽共自死 兩目走拔而死 死而不棄 乃切己頸以死也
---② ぬ⇒
25…僕欲往妣國以哭
---③ 表舞台から消えさる。(かくれる。)
隱/隠18(1)…
隱身(x3) 隱伎之三子嶋 隱立戸掖 因吾隱坐 其所隱立之天手力男~ 落隱入之間 【於青柴垣打成而隱也】 僕者於百不足八十坰 手隱 隱伏兵士 伏隱河邊之兵 隱面大鋺 聞臣連隱於王宮未聞王子隱於臣家 隱身 卽見幸行而逃隱岡邊 見者五十隱
青柴垣が墓所的に映るが、明示的に死を意味する表現になってはいない。
---④ こもる。[≒隱]
籠/篭1…河之河嶋一節竹而作八目之荒籠(こ)
<故於是天照大御~見畏 開天石屋戸而 刺"許母理"坐也>は、籠った(隱った)状況を記述している訳だが、太陽の仮死を意味するので、死と見なすこともできる。と言っても、断定はできないが。
一方、<許母理久能こもりくの(隠口の)泊瀬>📖は死を暗示していそう。📖歌89
---⑤ ~さる。[≒去る]
13…
【~避】(x3) 所避追 然皆國者避於大國主~所以避者 追避其八十~之時 其石走避故諺曰「堅石避醉人也」 避上下衣服 遷避于不漏處 引避其御船 大雨爾不避其雨
"故 其所神避之伊邪那美~者 葬出雲國與伯伎國堺比婆之山也"が印象的。葬られるので、~は死なない訳ではないことがここで明らかになる。重要なのは、昇天ではないという点。
---⑥~上がる。[≒昇天]
226…參上天 上幸 山上📖卡
---⑦ "しりぞく"
退17…退居 遁退 退撥不伏人等 燒退 押退御琴不控 押退御琴不控 追退 各不退相戰 逃退(x2) 是退己國 不賜御酒柏乃引退 因无禮而退賜 爾解兵退坐 鬪明各退 欲退本國 故隨白退時
---⑧ 基本表現(天皇)
29…
男建而崩 天皇崩後 戊寅年十二月崩 天皇既崩 曾能多知波夜歌竟卽崩 歌竟卽崩 乙卯年三月十五日崩也 卽擧火見者既崩訖 「御子既崩」 「息長帶日賣命者既崩故無可更戰」 壬戌年六月十一日崩也 皇后御年一百歳崩 天皇崩之後 宇遲能和紀郎子者早崩 甲午年九月九日崩 丁卯年八月十五日崩也 壬申年正月三日崩 丁丑年七月崩 甲午年正月十五日崩 天皇崩之後 己巳年八月九日崩也 天皇崩後 故天皇崩 天皇既崩 丁未年四月九日崩也 乙卯年三月十三日崩 甲辰年四月六日崩 丁未年四月十五日崩 壬子年十一月十三日崩也 戊子年三月十五日癸丑日崩
訓読みは通説でよいかはなんとも。御陵がある以上、昇天のイメージは無いが、さりとて異界ではない。誕生の地に戻るというイメージが浮かぶ呼び方が望ましいと思う。
---⑨ "(み)まかる" (退出 赴任 帰還)
8…「僕者欲罷妣國根之堅洲國故哭」 「然者請天照大御~將罷」 故以爲請將罷往之狀 罷往於高志國之時 卽於丸邇坂居忌瓮而罷往 罷行高志國 故受命罷行之時 患泣罷時
---⑩ "うしなう"
8…亦其鉤失海 遂失海 失其鉤 備如其兄罸失鉤之狀 大熊髮出入卽失 卽不見其所如而忽失 所忘其地御刀不失猶有 譽其不失見置 [序文漢文]當今之時不改其失
---⑪ "去る"
6…"須比智邇"{去(声)}~ 流去 飛去 追去 逃去(x2)
---⑫ 姿を隠す/消す(滅亡 逃亡)
1…自其地逃亡
---⑬ 進攻の意味での"いく"
_…[序文漢文]三軍電逝:閃電(光)つまり稲妻📖
---🈚[非使用]
かばね薨 斃 歿 殊 殉  寂
1…坐殯宮
7…葬出雲國與伯伎國堺比婆之山也 葬狹木之寺間陵也 皆歌其御葬也 歌天皇之大御葬也 葬于狹城楯列陵也 葬于那良山也 作御陵葬
1…「吾殆見欺乎」
1…亦其入鹿魚之鼻血臰

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