→INDEX ■■■ 「古事記」解釈 [2023.2.7] ■■■ [歌の意味12]歌は上品 「古事記」にそのような箇所は少なくないが、地文で語られるストーリーとは違って、歌だけ独立して収録するとそのような雰囲気は全く感じられなくなる。 倭建命の歌は滅多に話題にしない異様な題材と云えるが、その言葉自体は一般に通用する用語である。 「古事記」成立は8世紀であり、儒教・仏教・キリスト教の何れも、すでにこのような表現を避けていた筈であり、大陸のそんな状況を知らない筈もないが、太安万侶は隠す必要無しと判断したことになろう。 お蔭で、現代人にも古代の観念が想像できる訳で、偉大な仕事をしてくれたと評価すべきだろう。・・・古代における、<神婚>とは、男女の性行為あってこそのもの。それが、豊穣の社会をもたらすことになるからである。 (古代ではなく、現代でも、シヴァ神リンガ信仰や、チベット仏教の教義は、この観念を土台としている。) 《上巻》 <国生み> 於是 問 其妹伊邪那美命曰:「汝身者如何成」 答曰:「吾身者成成不成合處一處在」 答曰:「吾身者成成不成合處一處在」 伊邪那美命答曰:「然善」 爾 伊邪那岐命詔 然者吾與汝行廻逢 是天之御柱 而 爲 <"美斗能麻具波比"> 如此之期 乃詔 汝者自右廻逢 我者自左廻逢 約竟廻時 伊邪那美命先言 [前駆]【伊邪那美命&伊邪那岐命】綾に吉愛男を📖 ・・・如此言竟 而 <御合> 生子 淡道之穗之狹別嶋 <高天原暴虐事件> 天照大御神坐忌服屋 而 令織神御衣之時 穿其服屋之頂 逆剥天斑馬剥 而 所墮入時 天衣織女見驚 而 於梭衝<陰上> 而 死 [無歌] <火神生み> 因生此子 <"美蕃登"> 見炙 而 病臥在 [無歌] <天石屋戶> 天宇受賣命 手次繋天香山之天之日影 而 爲鬘天之眞拆 而 手草結天香山之"小竹"葉 而 於天之石屋戶伏"汙氣" 而 蹈"登杼呂許志" 爲神懸 而 掛出<胸乳> 裳緒忍垂於<番登>也 [無歌] <@出雲> [__1]八雲立つ出雲八重垣📖 ・・・故 其櫛名田比賣以 <久美度>邇起 而 所生神名 謂八嶋士奴美神 <@出雲> 始作國也 故 其八上比賣者 如先期<"美刀阿多波志都"> [無歌] <@出雲> [__4]青山に日が隠らば📖 故 其夜者 <不合> 而 明日夜爲<御合>也 <@笠紗御前> 又問有汝之兄弟乎 答白:「我姉石長比賣在也」 爾 詔:「吾欲<目合>汝奈何」 [無歌] 《中巻初代天皇段》 <即位後の皇后探し> 大久米命曰 此間有媛女 是謂神御子 其所以謂神御子者 三嶋湟咋之女 名勢夜陀多良比賣 其容姿麗美 故 美和之大物主神見感 而 其美人爲大便之時 化丹塗矢 自其爲大便之溝流下 <突>其美人之<"富登">・・・ [_16]【大久米命】大和の高佐士野を📖 《中巻倭建命関連》 <東征完了後帰還し かねての約束通り初夜> [_28]久方の天香久山📖 (・・・さ寝むとは 吾は思へど 汝が着せる 衣裾の裾に <月立ち>にけり) 故 爾 <御合> 而 《中巻15代天皇段》 <天之日矛渡來> 此沼之邊 一賎女晝寢 於是日耀如虹指其<陰上> 亦有一賤夫 思異其状 恒伺其女人之行 故 是女人 自其晝寢時妊身 [無歌] 【*:注】本居宣長の<婚>の訓読みは場当たり的である。 【**:注】フレーザーJames Frazer:「金枝篇The Golden Bough」1890 [Ch.11]The Influence of the Sexes on Vegetation:FROM THE PRECEDING examination of the spring and summer festivals of Europe we may infer that our rude forefathers personified the powers of vegetation as male and female, and attempted, on the principle of homoeopathic or imitative magic, to quicken the growth of trees and plants by representing the marriage of the sylvan deities in the persons of a King and Queen of May, a Whitsun Bridegroom and Bride, and so forth.・・・In some parts of Java, at the season when the bloom will soon be on the rice, the husbandman and his wife visit their fields by night and there engage in sexual intercourse for the purpose of promoting the growth of the crop.・・・ [Ch.12]The Sacred Marriage:・・・With beating of drums and singing, dancing, and jumping, all proceed to the priest's house, which has been decorated with leaves and flowers. Then the usual form of marriage is performed between the priest and his wife, symbolising the supposed union between Sun and Earth. After the ceremony all eat and drink and make merry; they dance and sing obscene songs, and finally indulge in the vilest orgies. The object is to move the mother earth to become fruitful.・・・ (C) 2023 RandDManagement.com →HOME |