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2005年4月28日
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魚の勝手な分類 (3: 反主流派)…

 多種多様な種が登場する白亜紀の魚のうち、特徴ある魚をざっと眺めた。
  → 「魚の勝手な分類 (2: 多種多様) 」 (2005年4月28日)

 種として認定するのだから、それぞれ必ず特徴はある訳で、タツノオトシゴのような奇異な種や、淡水魚は別として、「多種多様」な特徴ある魚という定義はわかりにくいかもしれない。

 このような分け方をしたのは、実は、「主流派」の魚が存在しているからだ。

 それは、“スズキ目”である。
 種の数(1)を見ると、その王座の様が見てとれる。
 17亜目、148科、1496属、9293種と、魚類全種の約4割を占めているそうだ。

 ちなみに、淡水魚主流派の“コイ目”は2700種で第2位。

 一方、「太古」の魚、古生代出現の“シーラカンス目”は1科、1属、2種だし、“オーストラリアハイギョ目”は1科、1属、2種だ。
  → 「魚の勝手な分類 (1: 太古) 」 (2005年4月28日)

 鮫になると、流石にそこまではいかないが、それでも“ネコザメ目”は1科、1属、8種だし、“ノコギリザメ目”は1科、2属、5種だ。もはや最後の生き残りの種が活動していると考えてよいだろう。
 よく獲れるヨシキリザメや獰猛なタイガーシャーク(イタチザメの英名)を含んでいる“メジロザメ目”は7科、47属、208種にのぼる。鮫の全種のうち半分以上を占めるそうだ。
 こちらはまだまだ現役バリバリである。

 要するに、魚の王者は“スズキ目”ということである。
 従って、“スズキ目”の視点から見渡すと、魚類全体が俯瞰できる。

 言い換えれば、鮫とエイを中心とする「太古」グループ以外は2つのグループに分けて眺めればよいのである。

 1つは、王者と、一応の緊張関係を保って生きていそうな種。
 これを「反主流派」と名付けてみた。
 「反主流派」以外は、亜流にすぎない。餌となるだけだったり、全く無関係な生活を送っている種である。これを「多種多様」なグループと呼んだのである。

 それでは、「反主流派」を見てみよう。


  〜癖ある魚達〜

●大きなギョロ目の魚 [白亜紀]
 ・キンメダイ    キンメダイ、ヒウチダイ(深海に棲む.)、エビスダイ、ギンメダイ

●髭があって重いが結構細長い魚 [古第三紀 暁]
 ・タラ    マダラ、スケトウダラ、メルルーサ

●鎧を着た魚 [古第三紀 始]  (メゴチはスズキ目ネズッポ科でここに入らない.)
 ・カサゴ    カサゴ、ホウボウ、マゴチ、ギンダラ、アイナメ、カジカ、メバル、オコゼ

●すらりと伸びた体躯で一気に駆け抜ける魚 [古第三紀 始]
 ・ダツ    ダツ、サンマ、トビウオチ、サヨリ、メダカ

●棘棘がある皮で体型を保つ魚 [古第三紀 始]
 ・アンコウ    アンコウ、チョウチンアンコウ、ハナオコゼ(イザリウオ科でカサゴ目ではない.)、アカグツ

●水底の草を食べてひっそり暮らす魚 [古第三紀 斬]
 ・ボラ

 それぞれ、それなりに俊敏である。
 自分の強さを生かして、王者に対抗して生き抜いているのだ。


  〜独自勢力を保っている魚達〜

●おちょぼ口を持つ膨れた体躯の魚 [白亜紀]
 ・フグ    フグ、カワハギ、マンボウ

●土を這う魚 [古第三紀 始]
 ・カレイ    カレイ、ヒラメ、ウシノシタ(舌平目)

 こちらも「癖ある魚達」と同じと見ることもできないことはないが、進化の過程を見ると、“スズキ目”とほぼ同格と言えるらしい。

    「魚の勝手な分類 (4: 主流派) 」 (2005年4月28日)>>>

 --- 参照 ---
(1) 上野輝彌・坂本一男著「魚の分類の図鑑」東海大学出版会 1999年


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