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魚の話  2015年2月14日

がんこの話


 そのうちに 鍋で泳ぐか 人面魚


[写真はキモいと言われる"入道鰍"]

水深3,000mを越えた真っ暗なところでも生き抜いている、"真"深海魚3グループについてとりあげた。

阿代/鼬魚/隠魚/Ling 類
   Ling の話[2015年2月9日]

比丘尼/阿葉茶/草魚/蒟蒻魚 類
   びくにん の話[2015年2月7日]

底鱈/唐人/髭 類
   とうじん の話[2015年2月4日]

しかし、そこまで深いところまで進出していなくとも、トロール網でないとあがってこない底棲魚も立派な深海魚だ。
特に、ブヨブヨ系は人気。
鍋が美味しい季節になるとなおさら。もっとも、普通はアンコウ。ところが、カサゴ系にもその手の魚が存在する。英語の方がわかり易い。「ブロブフィッシュ」である。何故、そんな魚を取り上げるかといえば、TVに登場したそうだから。・・・
毎日放送の「さまぁ〜ずの世界のすげぇにツイテッタ〜」という番組(2015/1/25)。「すげぇ深海魚ハンターに、Sexy Zone 中島健人さんがツイテいきます??」という企画で、新種の「ブロブフィッシュ」が生きたまま捕獲されたのである。そして、沼津深海水族館作業場で元気に泳いでいるシーンが放映された。しかし、好物の筈の駿河湾の蝦を口に近づけても、嫌がってしまうだけ。残念ながらそこで完。

そこで思い出させてもらったのが、"ニュウドウカジカ"。当時は、ずいぶんと、話題になった。
   「世界で最も醜い動物は?」2013.09.14 Sat posted at 12:42 JST CNN
確かに奇妙なお姿というかお顔。
色が薄ピンクの超巨大オタマジャクシのような形態というだけではないのだ。左右の眼が離れているため、ボケーとしているような顔立。ブヨブヨ体なので、大きな鼻が唇の上に垂れてしまい、見るからにだらしない感じ。まあ、アンコウも地上にあげればどうにもならない訳で。
もっとも、日本では「醜い」とはならず、オヤジ臭くてキモ可愛い〜との嬌声。但し、一時、皆で大いに話題にした後、すぐに忘れ去られる運命。

この手の魚は、甲殻類が大好物の筈。それを食べて大きくなったのだから、美味しくない訳がない。有名になると、はたして絶滅危惧を防ぐ方向に働くのだろうか。大いなる疑問。

その恐れを感じさせるのが、同種[占鰍/fathead sculpins/隱棘杜父魚]の"ガンコ"。頑固親爺顔という意味だろう。なかなか味のある命名だ。
"ニュウドウカジカ"は滅多に獲れるものではないが、こちらは「食べられる深海魚ガイドブック」にも掲載されており、市場に結構あがっていそう。ただ、地方性濃厚で、新潟、福島、鳥取に留まっているようだ。言うまでもなく調理方法は「煮」である。アンコウ同様のゼラチン食味だが、甘みがあって美味しいそうだ。
どう考えても、食指が動く人々が放っておくとは思えない。
ガンコ族に危機迫る。まあ、オヤジ族は絶滅危惧種だそうだから、避けられぬか。

┌──笠子→かさご[2005年4月15日]
眼張→めばる[2005年4月8日]
虎魚→おこぜ[2009年2月27日]
├──鯒[こち]
→ほうぼう[2007年10月5日]
├──メルルーサ[銀鱈]→くえ[2005年9月16日]
油坊主→あぶらぼうず[2006年8月11日]
├──鮎魚女→あいなめ[2005年3月11日]
𩸽→ほっけ[2006年7月21日]



or 杜父魚/Sea Scorpion
毛虫
│┌┤
││└[深海ぶよぶよタイプ] 代表:
││頑固/Spinyhead sculpin/棘頭鬚杜父魚
││・焼尻鰍/Smoothcheek sculpin/蝌蚪ェ杜父魚
││・拳鰍/Darkfin Sculpin/頭瓣軟杜父魚,大和拳鰍//駝背軟杜父魚
││・赤鈍子//蟲紋紅杜父魚,坊主鰍//短頭紅杜父魚
││・占鰍/Tadpole sculpin/寒隱棘杜父魚,熊野鰍//光滑隱棘杜父魚,
││ 土佐鰍//小孔隱棘杜父魚,入道鰍/Blob sculpin/變色隱棘杜父魚
││・菎蒻鰍//丘疣吉氏軟杜父魚
││
│├─特鰭[とくびれ]→はっかく[2007年12月14日]
└┤
│┌団子魚→だんごうお[2009年11月13日 ]
└┤
└比丘尼/阿葉茶/草魚/蒟蒻魚・・・"真"深海魚
→びくにん[2015年2月7日]

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