[→鋏角類目次] [→蜘蛛目次] "! ■■■ 2018年5月14日 ■■■ 後家蜘蛛"spineless femur"と名付けられてまとめられている一群は、いかにもレガシー的。しかし、造網種の仲間を「網型」で整理すると考えれば、実に分かり易い。前駆捕獲網[目玉 & 渦,招き,扇] 真正円網[黄金,鬼,芥,棘,投げ縄] 変化形 [女郎] [脚長,銀] [山路,鳴子 小粒 荒地小粒 鎧姫,砂粒,寄り眼 鎧姫,砂粒,寄り眼] [ピモ皿,脚縒 皿] [洞姫 姫,尾長,後家,居候,槍]…"spineless femur" ばったばった 亭主の替わる 美しさ [誹風柳多留] 後家蜘蛛はその毒性が喧伝されたので超有名になった。死亡を示唆するような名前のお蔭もあろう。(当初の意味は、生殖行為後の♂食いから来た命名だろうが。) 1995年に背赤後家蜘蛛の本邦侵入がわかったが、今ではほとんど全国に分布しているのでは。放置された運送用パレットに棲みつくためどうにもならない。 この種は、光沢性の黒色を呈し、赤色砂時計模様があるのですぐにソレとわかる。本場豪州では抗毒血清が準備されている程なので大騒ぎになったが、鎮静化しているが危険が去ったというよりは、たまたま被害が表にでていないだけだろう。尚、副作用を考慮すると血清を用意する意義があるのか、はなはだ疑問。 蜘蛛の巣に 露の滴か 光る粒 綺麗な蜘蛛の巣に光るモノありと見てみるとこれが蜘蛛。いかにも、網を張ったかのように棲んでいるのだが、実は居候だったりする。体の構造から見て造網能力が無いとも思えないのだができる限り無駄な労働はしたくないという体質なのかも。 一方、多大な労力を費やして網を張った主の方はずっと大きな蜘蛛だが隠れているのでどこに居るのかわからない。 何故にこのような同居が可能かといえば、居候は、主が食べる気がおきない小さな餌の対象としているからか。互いに知らん顔で生活するのだろうが、時として喧嘩になることもあるそうだ。当然ながら、負ければ喰われる。小さい方が勝つことが多いようで、微妙なパワーバランスの下での緊張関係が存在しているのかも知れぬ。 人家に 住み込むことで 一丁前 家の中の隅や、軒とか庇の隅に網を張る蜘蛛といえば、大姫蜘蛛。 グローバルプレーヤーである。 鋏角類 《蜘蛛 Araneae》 │ │┼┼中疣…出糸疣が腹の中ほどに存在 │┌──【古代風 Mesothelae】 ││┼┼◆Liphistiomorpha 腹節蜘蛛と木村蜘蛛を代表とする群 └┤ ┼│┌─【原始的 Orthognatha】…真っ直ぐの牙顎類 ┼││┼◆Mygalomorphae ┼││┼┼┼│┌─《Fornicephalae 戸立蜘蛛と地蜘蛛を代表とする群》 ┼││┼┼┼└┤ ┼││┼┼┼┼└─《Tuberculotae 漏斗蜘蛛とタランチュラを代表とする群》 ┼└┤後疣…出糸疣が腹の後端に存在 ┼┼│ ┼┼│↓脱地中穴棲 ┼┼│ ┼┼└─【新生型 Opisthothelae】…二軸鋏型牙類(Labidognatha) ┼┼┼┼◆Araneomorphae ┼┼┼┼┼┼└┬─《Paleocribellatae 古篩板類(単性域類有篩板)》 ┼┼┼┼┼┼┼│ ┼┼┼┼┼┼┼├─《Austrochiloidea》<Neocribellatae新篩板類>基底的群 ┼┼┼┼┼┼┼│ ┼┼┼┼┼┼┼│┌《Haplogynae 単性域類篩板退化》…性器単純 ┼┼┼┼┼┼┼└┤ ┼┼┼┼┼┼┼┼└《Entelegynae 完性類》…性器複雑 ┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼↓ ┌──────────┘ ├【Eresoidea】 │┼┼┼┼┼┼┼┼Eresidae 岩ガ根 │┼┼┼┼┼┼┼┼Oecobiidae 塵,扁 │┼┼┼┼┼┼┼┼Hersiliidae 長疣 │ ├【Palpimanoidea】 │┼┼┼┼┼┼┼┼Mimetidae 戦捷 │┼┼┼┼┼┼┼┼Malkaridae │┼┼┼┼┼┼┼┼Huttoniidae │┼┼┼┼┼┼┼┼Palpimanidae │┼┼┼┼┼┼┼┼Stenochilidae │┼┼┼┼┼┼┼┼Micropholcommatidae 星 │┼┼┼┼┼┼┼┼Holarchaeidae │┼┼┼┼┼┼┼┼Pararchaeidae 夜叉 │┼┼┼┼┼┼┼┼Archaeidae │┼┼┼┼┼┼┼┼Mecysmaucheniidae │ └【"canoe tapetum"カヌー型タペータム】 ┼│ ┼├Orbiculariae 円軌道造網型 ┼│┼├Deinopoidea ┼│┼│┼┼┼┼┼Deinopidae 目玉 ┼│┼│┼┼┼┼┼Uloboridae 渦,招き.扇,投げ縄 ┼│┼│ ┼│┼├Araneoidea ┼│┼│┼┼┼┼┼Araneidae 黄金,鬼,芥,棘,投げ縄 ┼│┼│ ┼│┼└"derived araneoids" ┼│┼┼┼│ ┼│┼┼┼├───Nephilidae 女郎 ┼│┼┼┼├───Tetragnathidae 脚長,銀 ┼│┼┼┼└"reduced piriform/葡萄状腺" ┼│┼┼┼┼┼┼---("symphytognathoids" ) ┼│┼┼┼┼┼┼┼Theridiosomatidae 山路,鳴子 ┼│┼┼┼┼┼┼┼Mysmenidae 小粒 ┼│┼┼┼┼┼┼┼Synaphridae 荒地小粒 ┼│┼┼┼┼┼┼┼Anapidae 鎧姫,砂粒,寄り眼 ┼│┼┼┼┼┼┼┼Symphytognathidae 融顎 ┼│┼┼┼┼┼┼"araneoid sheet web weavers" ┼│┼┼┼┼┼┼┼┼--("linyphioids") ┼│┼┼┼┼┼┼┼Pimoidae ピモ皿,脚縒 ┼│┼┼┼┼┼┼┼Sinopimoidae ┼│┼┼┼┼┼┼┼Linyphiidae 皿 ┼│┼┼┼┼┼┼┼┼"spineless femur" ┼│┼┼┼┼┼┼┼Chatolipidae ┼│┼┼┼┼┼┼┼Synotaxidae ┼│┼┼┼┼┼┼┼Nesticidae 洞姫 ┼│┼┼┼┼┼┼┼Theridiidae 姫,尾長,後家,居候,槍 ┼│┼┼┼┼┼┼┼Chatolipidae ┼│ ┼└Nicodamidae & "divided cribellum" + "RTA" 【新生型蜘蛛類 Opisthothelae】 (後疣…出糸疣が腹の後端に存在) ◆Araneomorphae 《Entelegynae 完性類》 【"canoe tapetum"カヌー型タペータム】 {Orbiculariae 円軌道造網型} -- --"derived araneoids" --"reduced piriform/葡萄状腺" ("araneoid sheet web weavers") "spineless femur" "cyatholipoids" -CyatholipidaeTree sheet-web weaver ヌノカケグモ @豪州東部雨林帯,アフリカサバンナ ○Cyatholipus@南ア -Synotaxidae ○Synotaxus・・・ヤセヒメグモ類 (-Physoglenidae⇒Synotaxidae) ○Physoglenes "theridioids" -NesticidaeCave cobweb spider ○Nesticus・・・ホラヒメグモ類【地表落葉堆積間隙層・洞窟棲】 菩薩洞姫蜘蛛(kaiensis) 羅漢洞姫蜘蛛(rakanus) 禅定洞姫蜘蛛(zenjoensis) ○Steatoda 半月雄鳴蜘蛛(cingulata)…発音(可聴) Cellar spider(grossa) ○Nesticella (marapu)@インドネシア スンバ島 -TheridiidaeTangle-web spider or Cobweb weaver[3爪,8眼] (-Episininae) ○Latrodectus・・・ゴケグモ類(Widow spider) 黒後家蜘蛛 Black widow spide(mactans)@北米〜中米▲毒 背赤後家蜘蛛 Red-back spider(hasseltii)@豪州,NZ▲毒 灰色後家蜘蛛 Brown widow spider(geometricus)@中南米,アフリカ熱帯 (世界各地侵入)▲毒 艶後家蜘蛛(hesperus)@北米西部▲毒 十三星後家蜘蛛 Steppe spider(tredecimguttatus)@欧州〜中央アジア▲毒 赤帯後家蜘蛛(elegans)@日本▲毒 ○Steatoda・・・カガリグモ類 偽後家蜘蛛False widow spider(nobilis)▲毒 斑姫蜘蛛(triangulosa)…外来種 ○Epicinus・・・ヒシガタグモ類【造網】 菱形蜘蛛(affinus) (-Theridiinae) ○Achaearanea・・・ツリガネヒメグモ類 [未確定⇒Theridionヒメグモ類, Parasteatodaオオヒメグモ類] 姫蜘蛛(japonica) 大姫蜘蛛 "common" House spider(tepidariorum)@汎世界;家屋内外 金毘羅姫蜘蛛(kompirensis) 黄姫蜘蛛(asiatica) 輝夜姫(culcivora) 釣鐘姫蜘蛛(angulithorax)@東アジア (diaparata)@ガボン…社会性(家族集団狩猟+家族間抗争) (studiosus)@米国フロリダ…社会性(共同網) ○Theridion・・・ヒメグモ類【造網-シート状】 背赤姫蜘(pictum) 薔薇木姫蜘(chikunii) 擬宝珠姫蜘(rapulum) Hawaiian happy-face spider(grallator) ○Anelosimus・・・アシブトヒメグモ類 (eximius)@中米…社会性(数千匹コロニー) (studiosus)@米国フロリダ…一代家族形成 ○Chrysso・・・コガネヒメグモ類 黄金姫蜘蛛(scintillans)…幼生をミルクで育成 ○Meotipa・・・ヒメヒシガタグモ【造網】 尾高蜘蛛(argyrodiformis) 菱形姫蜘蛛(vesiculosa) ○Takayus・・・タカユヒメグモ類 高湯姫蜘蛛(takayensis) (-Argyrodinae) ○Ariamnes・・・オナガグモ類 尾長蜘蛛(cylindrogaster)…蜘蛛食 ○Argyrodes・・・イソウロウグモ類(Dewdrop spider) 白銀居候蜘蛛(bonadea)…女郎蜘蛛等の巣 塵居候蜘蛛(kumadai)…草蜘蛛等の巣 赤色居候蜘蛛 or マレー居候蜘蛛(miniaceus)…赤橙色 Whip spider(colubrinus)@豪州…木の枝擬態 ○Rhomphaea・・・ヤリグモ類…蜘蛛食 槍蜘蛛(sagana) (-Hadrotasinae) ○Dipoema・・・ミジングモ類 ○Phycosoma・・・ツツミジングモ類 蟹微塵蜘蛛(mustelium)…蟻食 大和微塵蜘蛛(japonicum) (参照) 吉田哉:「日本産ヒメグモ科総説」日本蜘蛛学会, 2003 「鋏角類」の目次へ>>> 「動物」の目次へ>>> トップ頁へ>>> (C) 2018 RandDManagement.com |