■■■ 「古事記」叙事的訓読  ■■■
㊦ ㉒[御子]白髮大倭根子命 ㊃志毘臣歌垣
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5 かれ まさに
5 あめ_した_(を)
3  をさめ(○○)
5   _たまひ
7 平群へぐり_おみ
2      おや(○○○)
7    _志毘しび_おみ
7     于→歌垣うたがきた-ち
2 _(○○○)
7  袁祁をけ_みこと_
7   まさによばひ
5    よ-きひと_
5     _と-り_
6 _孃子をとめ(○)
7   菟田うだ_(の)おびと
7     むすめ  _大魚おふを 
3 ここに(○○)
7 袁祁をけ_みこと_
2  また(○○○)
7   歌垣うたがき_た-ち
7 於是ここに 志毘しび_(の)おみ
5 うた_(に)まを-す
  意富美夜能 袁登都波多傳 須美加多夫祁理  📖

7 如此かくうたよ-み 
5  _うた_
5   すゑ_こ-ひ
6    _まつりとき(○)
7 袁祁をけ_みこと_
5 うた_(に)まを-す
  意富多久美 袁遲那美許曾 須美加多夫祁禮  📖

7 ここに 志毘しび_(の)おみ
7 また うた_(に)まを-す
  意富岐美能 許々呂袁由良美 淤美能古能
  夜幣能斯婆加岐 伊理多々受阿理
  📖

5 於是ここに王子みこ
7 また うた_(に)まを-す
  斯本勢能 那袁理袁美禮婆 阿蘇毘久流
  志毘賀波多傳爾 都麻多弖理美由
  📖

7 ここに 志毘しび_(の)おみ
7 いよいよ忿いか-り
5 うた_(に)まを-す
  意富岐美能 美古能志婆加岐 夜布士麻理
  斯麻理母登本斯 岐禮牟志婆加岐 夜氣牟志婆加岐
  📖

5 ここに王子みこ
7 また うた_(に)まを-す
  意布袁余志 斯毘都久阿麻余 斯賀阿禮婆
  宇良胡本斯祁牟 志毘都久志毘
  📖

5 如此かくうた-ひ
7  あらそ-ひあ-け_
5   おのおの_
7    退しりぞき あした
5      あさとき
7  意祁おけ_みこと_
7  袁祁をけ_みこと_
7    はか-り_いはく
 「
4   おほよそ(○)
4   朝廷みかど_(○)
4   ひと(○)
7   あさ_參赴朝廷みかど
7    まゐおもむ-き_
7   ひる志毘しび_
5    あつまり_
7   また いま志毘しび
7    かならずい-ね_
6   また __(○)
7    ひと_な-し  かれ
7       いまあらざれ
6         はか-るべく_
5           かた_からむ
             」
すなはち(○)
7 いくさ_た-て_
5  志毘しび_(の)おみ
7   いへ_かく-み_
4 すなはち(○)
5 ころ-し_まし 

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○志毘臣譚はよくできている。天皇の後背(女系)として暗然たる力を保持し続けていた勢力は、血脈の皇継候補を、㉑大長谷若建命に殺害し尽かされてしまい、実質的に匿われていた袁祁命を即位させることで覇権を握れると考えていたようだが、すでに実権は勃興する勢力の、臣下が握っており、どうにもならない状態に来ていることがよくわかる。婚姻さえままならぬというか、御子をもうけることさえ難しくなっていることがわかる。

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