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■■■ 「古事記」解釈 [2023.1.26] ■■■
[参考]「琴歌譜」
「古事記」の歌の一部には、歌の名称の注記があるが、それは朝廷の公式歌舞で用いられているものだろうとは思うものの、意味がよくわからない。📖歌INDEX[歌人/歌名]
その辺りについては、後世の書が見つかっているため、概念かなんとなくわかる場合もあるので、あげておこう。(雅楽研究所「研楽庵」by houteki とNDL(古典保存会本)を参考にした。一般テキストは「古代歌謡集」日本古典文学大系 岩波書店。)
「琴歌譜」(大歌所大歌師 多安樹[手傳寫]981年)所収譜は4節会のみ。
  11月の豊明節会
  正月の三節会
(元日・七日白馬節会・十六日踏歌節会)

構成は、序文(漢文)と歌曲名毎の譜。

序文にはこのような記述がある。・・・
諸音楽之具 種類雖多 求其雅旨 莫過琴歌/およそ音楽の具 種類多しと雖も 其の雅旨を求むるに 琴歌に過ぎたるはなし・・・又依鮎句之形 表歌聲/点句の形に依り 歌声を表す・・・又以甲乙六干配於六絃/甲乙六干を以て六絃に配する
歌曲名は19曲あり概ね以下の形式で記載されている。・・・
  歌詞声譜(万葉仮名:小字の二行書き)…22首(うち1首は同歌)
   琴譜
  歌の縁起
(漢文)…大歌(1 2 13 14 17 18 19)

個別に見ると、以下の如くの歌が並ぶ。・・・
【十一月節】…新嘗祭後の豊明節
[_1]茲都しつ[志都]
御諸に 築くや玉垣 齋き餘す 誰ぬかも依らむ 神の宮人
  美望呂尔 都久也多麻可吉 都吉安万須 多尔可毛与良牟 可美乃美也碑等
  「古事記」から📖
  [縁起1]「古事記」赤猪子
  [縁起2]11代天皇の御諸山拝祭
[_2]歌返うたいかえし…茲都歌の歌返
島國の 淡路の三原の篠 さ根掘じに い掘じ持ち来て 朝妻の 御井の上に植ゑつや 淡路の三原の篠
  [縁起1]八田皇女妃行幸ならず 平群を過ぎて
  [縁起2]14代皇后奈良山から葛城を望む
  [縁起3]「古事記」15代天皇淡路島
[_3]片降かたおろし…茲都歌の片下
木綿垂での 神が碕なる 稲の穂の 諸穂に垂でよ これちふもなし
[_4]高橋扶理たかはしぶり
道の邊の 榛と櫟と しなめくも 言ふなるかもよ 榛と櫟と
[_5]みじか埴安扶理はにやすぶり
少女ども 少女さびすと 唐玉を 袂に纏きて 少女さびすも
[_6]伊勢神歌
さはかる 大日靈女の先使 よよよよ 先使先使 幾柳幾柳 先使
[_7]天人扶理あめひとぶり
天人の 作りし田の 石田は いなゑ 石田は 己男作れば かわらとゆらと鳴る 石田は いなゑ 石田は いなゑ
[_8]継根扶理つぎねぶり
つぎねふ 山城川に 蜻蛉 嚔ふく 嚔ふとも 我が愛者に 逢はずは止まじ
  「古事記」と若干似るものの内容は違う📖
[_9]庭立振にわにたつぶり
庭に立つ ふふきの雄鳥 しついついつら 愛子夫 我が夫 曉と知らに 我が寝ば しついつら 打ち起せ雄鳥
[10]阿夫斯弖振あぶしてぶり
溢ぶして拾ひ たくさはぬものを 旨らに食せ 叔母が君 熟らに睡や
[11]山口扶理やまぐちぶり
山口 大菅原を 牛は踏む 猪は踏むともよ 民な踏みそね
[12]大直備歌おおなおびのうた
(歌詞なし)(3と同歌)
【正月元日節】
[13]余美歌よみうた
そらみつ 大和の国は 神からか 在りが欲しき 国からか 住みが欲しき 在りが欲しき国は 秋津洲大和
[14]宇吉歌うきうた[宇岐]
  美奈蘇曽久 於美能遠等米 保陁理刀利 可多久刀礼 (一説云:刀良左祢) 茲多可太久 夜可多久刀礼 保太利刀良須古
  [縁起1]「古事記」📖・・・
水注く 臣の少女 秀樽取らすも 秀樽取り 堅く取らせ 下堅く 弥堅く取らせ 秀樽取らす子
  [縁起2]目弱王と韓比売
[15]片降かたおろし(声譜なし)
新しき 年の始めに かくしこそ 千載をかねて 楽しきを経め
[16]なが埴安扶理はにやすぶり (自余 小歌同十一月節)
川上の 川榛の木の 疎けども 舂米持は 親族とぞ思ふ
【七日節】…白馬節
[17-1]阿遊陁扶理あゆだぶり
高橋の 甕井の清水 あらまくを すぐにおきて 出でまくを すぐにおきて 何か汝が 此處に 出でて居る 清水
[17-2] 〃 
石の上 布留の山の 熊が爪六つ まろかもし 鹿が爪八つ まろかもし 睦しみ 我こそ 此處に 出でて居れ 清水
[17-3] 〃 
朝獵に 汝夫が通りし 橋の前 杭を宜しみ かひのえの つきを宜しみ 我こそ此處に 出でて居れ 清水
【十六日節】…踏歌節
[18-1]酒坐歌さかくらのうた
この御酒は 我が御酒ならず 酒の神 常世に坐す 石立たす 少名御神の 豊寿ぎ廻ほし 神寿ぎ狂ほし 献り来し御酒ぞ 乾さず食 ささ
  「古事記」と同等📖
[18-2] 〃 
この御酒を 醸みけむ人は その鼓 臼にたて 歌ひつつ 醸みけれかもし 舞つつ 醸みけれかもし この御酒 あやに うた楽し ささ
  「古事記」酒楽之歌と同等📖
[19]茲良宜歌しらげうた
あしひきの 山田を作り 山高ら[一説:山高み] 下樋を走せ[一説:伏すせ] 下訪ひに 我が娉ふ妻 下泣に 我が泣く妻[一説:片泣に 我が泣く妻] 今夜こそ妹に 安く肌触れ
  「古事記」と同等📖

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