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2003.9.5 |
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Fortune500を読む(35:プロセス産業の日本企業)…
プロセス技術のマネジメント力や、顧客要求への対応力で、競争力が大きく左右されるビジネス領域である。 この領域で、「Fortune 500」にランクインした日本企業は僅かだ。タバコ1社、総合化学1社、ガラス1社、鉄鋼2社の合計5社にすぎない。(尚、写真フィルム企業は化学ではなく、別カテゴリーである。) ■過去記載頁へ■ 飲料・食品/日用品、 食材、 化学、 ケア用品、 金属、 材料加工ビジネス、 医薬品産業 巨大な産業領域だが、日本企業は規模の効果が発揮できない状況と言えよう。同じ業種業態企業が国内で乱立し、グローバル化に進むどころでない、のだろう。 ランクインした鉄鋼企業でさえ、グローバルな競争を考えると、その規模はまだ小さいといえる位だ。 といっても、素材分野では一定の基盤を作り上げているとは言える。 存在感が無いのは、消費財分野とハイテクビジネスである。 「五月蝿い」消費者が存在し、その声に応えて高度な製品を生み出しているにもかかわらず、グローバル展開が進んでいない。 低価格品から参入して、高品質訴求に進み、高機能品で一気に市場浸透を果たす日本の成功モデルがこの領域ではできなかったためだろう。 医薬品のようなハイテクビジネスは特に顕著だが、成功するためには、新技術や新機能を率先して適用してくれるリードユーザーが必要となる。 ところが、残念ながら、医療分野では、抗生物質治療のような例外を除けば、そのようなユーザーが日本国内にはいない。従って、医薬品ビジネスは始めから大きなハンディキャップを負っている。 しかし、一般消費財分野では、国内に満ち足り過ぎた顧客が大勢いる。リードユーザーは存在するのである。本来なら、世界を席巻するチャンスが溢れている。 そうならないのは、不調産業セクター同様の問題を抱えている可能性が高い。日本の古い商慣習で利益を生むスタイルを続けているのだ。 といっても、企業内革新で飛躍を目指す企業も散見されるようになってきた。不調産業領域の轍を踏むことはなさそうである。 この領域では、技術マネジメント力があれば、日本企業でも、ランクインできるポテンシャルは極めて高い。 これから先が楽しみだ。 「政治経済学」の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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