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2009.9.8
 
 


鞍掛豆の話…


  鞍を知り あちらこちらと 味巡り

    昔の武将は、鞍にまたがり、豆を食べたのだろうか。
     豆にはドラマ性があるのかも。

 8月に、軽井沢で日本酒のつまみに信州産の豆を食べた。この辺で、豆といえば、普通は「花豆」だが、今回は、青大豆の一種の「鞍掛豆」。
 表皮が部分的に黒くなっており、その形が鞍がかかっているようなので命名されたそうだ。東京でも、お蕎麦屋のメニューで名前を見かけたことはあるが、今まで、試したことはなかった。
 拙宅では、青大豆の浸し豆を作るので、外食でわざわざ食べようとは思わなかっただけ。
 お店のウリということで、食べたが、確かに、香りが違う。海苔とは違うが、独特。癖になりかねない類。

〜 豆の種類 〜
大豆 黄大豆[鶴の子、中、小、極小]
黒豆[十勝、丹波]
青大豆
鞍掛豆
茶豆
赤大豆
大豆
近縁
豌豆[赤、青]>>>
空豆>>>
小豆
ササゲ
大納言
(赤)小豆
白小豆
緑豆
小粒ササゲ[大角豆]
隠元豆
>>>
大福豆 虎豆
鶉豆
金時豆
手亡(白隠元)
貝豆,紅絞豆.鯱豆
紅花
隠元
花豆 [白、紫]
他[海外] 平豆[レンズ豆]>>>
雛豆[ガルバンゾ]>>>
樹豆
Red Kidney(赤隠元)
Pinto(鶉)>>>
黒目豆
落花生>>>
 最近よくみかけるようになった、「茶豆」の枝豆も、普通の枝豆と香りが異なる。じっくり味わうと、豆はもっと楽しめる食材のようだ。
 それに、同じ蛋白質の食材なら、肉と違って、脂分が感じられない大豆の方が洗練された味がする。まあ、日本人びいきの感覚かも知れぬが。
 それにしても、大豆だけで6種類。近縁のエンドウやソラマメもあるし、小豆も、5種類と、たいして豆を食べない民族の割りには、ずいぶんこだわる。
 この辺りに利用が偏るのは、日本、中国、朝鮮半島だけだそうである。(1)豆類の食べ方は世界とは異質なのだ。

 と言っても、肉食系民族が好む澱粉質が多いインゲン豆系を日本では敬遠している訳でもない。消費量は少ないが、煮豆や餡子の定番品である。この辺りの豆については、文様や形へのこだわりがあるようだ。そして、煮て皮が破け易い豆と、そうでない豆の区別といった、およそどうでもよさそうなことを重視している。
 豆の見てくれが気になるのだ。切腹を暗示するからだとも言われるが、現代でも同じだから、なにかひっかかるものがあるのだろう。
 「鞍掛豆」は、そんなことを考えると、山で海苔風味を愉しめるということで、昔は、かなりの人気豆だったのではないか。

 --- 参照 ---
(1) 吉田真美: 「料理書からみた世界の豆料理の調理特性」
   http://www.mame.or.jp/library/pdf_z/054/MJ054-01-WD.pdf
(参考) 「豆の種類別特徴」 (財)日本豆類基金協会
  http://www.mame.or.jp/syurui/syurui.html
(An English saddleの写真) [Wikipedia] photo by BLW
  http://en.wikipedia.org/wiki/File:CollegiateEventer.jpg


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