沖縄の長命/短命化を眺めて 沖縄の健康食についての本は山のよう。まあ、だいたい同じようなことが書かれていそう。その流行も以前に比べれば下火になってきたような感じ。 小生は、その昔、長命で知られていた山梨県北都留郡棡原に遊びにいって、長命理由の面白話を伺ったことがある。冬は結構寒い渓流沿いの山村であり、亜熱帯モンスーン気候の海に近い沖縄県国頭郡大宜味村とはえらく環境が違う。 そのお話によれば、なんといっても重要なのは屋外での筋肉活動の時間が長いことと、それに伴ってだが、水分を十分に補給している点とか。車を使ってオフィスに通うようになってしまうと、坂道を歩かなくなるし、表向きは規則正しい生活に見えても、制約や約束事が多くなり、無理を重ねて生きるしかなくなるのだとか。それをストレスと呼ぶ訳である。従って、いずれ短命化は避けられないとのことだった。 まあ、当たり。 ついでに、上記以外で、長生きを誇る老人が指摘してくれ、思い出せることを、付け加えておこう。・・・ 紫外線については、先生方が言うような話はどうもネ。日焼けしない服装なんだから。ハハハ。でも、紫外線に晒される環境に出れば、体の表面の悪さしそうなものが減りそうな気にはなるヨ。・・・違う意見もあったが。 なんといっても、夜型生活をしないことサ。都会じゃ無理だろう。悩みは多そうだし。長寿より楽しいことばっかりだからナ。ゥワッハッハ。・・・ソリャ、その通り。 沖縄での長寿判定の最大の要因は、脳と心臓の疾患での死者が桁外れに低かったこと。素人的に考えれば、血流がサラサラしていて、勢いよく流れ、脳や血管細胞の新陳代謝が盛んなのだナとなる。 従って、その観点で、健康的食生活を学ぶ意味はあろう。 問題はそれが簡単かというところでは。 例えば、いい加減に並べてみたが、若者が以下のような食生活をしていて、汗が出るような気候のなかで、無理をせずに活動的に過ごしていれば、ソリャ、健康的になるだろうと思う。それができないから、短命化していると見るのは正当だが、・・・。 干海草 8g 生海草 80g 芋 類 80g ご 飯 120g 大豆[島豆腐] 40g 葉野菜 60g 瓜 類 80g 甘果物 80g 魚 類 80g 豚 肉 100g 黒 糖 少量 非精製塩 少量・・・マース 香辛料 少量 それはそれとして、果たして類似の食を追及すると、同じように長寿を実現できるのだろうか。ここらの根拠は薄弱な感じがするのだが如何なものか。 素人が眺めて気付いたポイントをあげておこうか。 ○黒糖 精製が一概に悪いとは言えないと思う。ミネラル分は無くなるが、摂取不可欠とは思えないからでもある。しかし、精製糖を多くとる家庭では虫歯が多そうだから、これが直接の理由かは定かではないが注意した方がよかろう。歯が丈夫でないと、食からの栄養吸収力は格段に落ちるのは間違いないからだ。 ○塩 塩分過多の食生活を続けると、循環器系疾病のリスクは高まる。従って、この辺りで沖縄の食から教訓を学ぶのは悪くない筈。 よく言われるのは、塩蔵漬物が少ないという点。しかし、そんなこともなかろう。観光客に黒糖味で独特の酸味がある漬物がだされるが、明らかに塩蔵の塩ヌキ後酢漬け品だからだ。現地で食べないものを出すとも思えまい。 香辛料で塩を減らしているという説もどうも納得性薄し。スパイシーなものが多いとか、香り立つ食で塩を減らしているとは思えないからである。 【香辛料】 コーレーグース[高麗胡椒]・・・シマトウガラシ ピパチ・・・ヒハツモドキ それに、塩分摂取量が格段に低いとも思えない。日々10g以下であるというだけに過ぎまい。本土の都会の生活も、たいしてかわらない状態になっているのでは。要するに、かつての本土の塩分量が余りに過大だっただけの話かも。 小生は、炭水化物の主食を穀物にすれば、どうしても塩が欲しくなるのだと思う。御飯は、漬物や汁の高濃度塩に魅力が生まれるし、パンやバターなら、有塩品化に流れてしまう。芋食を増やすと、塩分を抑えることに繋がるような気がする。 【芋】 ンム[芋]・・・サツマイモ ターンム[田芋]・・・タロイモ (→ 2013.11.10) キーウム[木芋]・・・キャッサバ 【澱粉】 タピオカ・・キャッサバ サイコクピー[西国米]・・・サゴヤシ ンムクジ[芋葛]・・・サツマイモ 本土の場合、とてつもなく過大な地域があった訳だが、それはナトリウム・カリウムバランスを保てるような食が可能な条件があったことを意味していよう。それができなくなるのに、塩分摂取は余り落とせないとなれば、結果は見えている。 ○海藻 海藻摂取量が多いのは確か。しかし、北陸でも、ほぼ同様に、煮昆布と細モズクを愛好する人達が存在しており、それが格段に健康増進に役立っているとの話を聞いたことがないから、その程度のものである可能性は高い。 【海藻】 (→ 2013.11.14) <干> クーブ・・・コンブ(出汁用でない長昆布系) アーサ・・・ヒトエグサ <生> スヌイ・・・フトモズク 海ぶどう・・・クビレズタ 沖縄ヒジキ スーナー・・・キリンサイ モーイ・・・イバラノリ ツノマタ・・・類 カーナ・・・オゴノリ <陸生> モーアーサ・・・ネンジュモ 小生には、海藻にはカンテン培地的イメージを抱いてしまうので、海藻食は、腸内細菌の活発化に大いに役立ちそうと見てしまう。下痢や便秘になりにくいということでもある。ただ、前提は、食生活に合った細菌群が多数派となっているという点にある。悪さをしそうな細菌が巣くっていれば逆効果。 ○野菜 これはそうそう真似できまい。本土と育ちが違いすぎで、苦味の量が全く異なると見てよいだろう。しかも、その苦味に慣れているのだから。その苦味だが、たいていはアルカロイドで毒物。だからこそ薬にもなるということ。 一種の漢方的な発想と言えよう。 このことは、自分と家族の体調に合わせ、畑や庭に生えている草を選ぶ習慣が身についていることを意味しよう。そのルールの文字化は難しいが、本人にとっては「食べたい感」としてわかるのだろう。 従って、同じように食べて、同じ効果を期待する発想は無理があるかも知れぬ。体が要求しているのは何れかがわからない限り、チグハグな食になりかねないからである。もしも、不足している成分がわかっているなら、サプリメントの方が確実だと思う。 それにしても、壮観である。尚、この他に飲料用途や、純粋の薬用途だけの葉類が結構ありそう。 (上記も含めて該当漢字や沖縄言葉については間違があるかもしれないのでそのおつもりで。) 【芋葉】 カンダバー[蔓葉]・・・サツマイモ 【菊系葉】 (→ 2013.10.7) フーチバー・・・ニシヨモギ ンジャナ[苦菜]・・・ホソバワダン ハンダマ・・・スイゼンジナ チーパッパ[地葉]・・・ツワブキ 【十字花/ブラシカ系葉】 (→ 2013.9.25) シマナー[島菜]・・・カラシナ 【傘形花/芹系葉】 (→ 2013.10.4) イチョーバー[胃腸葉]・・・フェンネル/ウイキョウ サクナ・・・[長命草]ボタンボウフウ 【他の葉】 ニンブトゥカー・・・スベリヒユ ジービン[地紅]・・・ツルムラサキ ンスナバー・・・フダンソウ ウンチェー・・・ヨウサイ サンニン・・・月桃 モロヘイヤ 【芹根菜】 チデクニー[黄大根]・・・オキナワニンジン ハマグンボー[浜牛蒡]・・・ハマボウフウ 【葱系】 (→ 2013.10.8) シマラッチョウ[島辣韮] チリビラ・・・ニラ (ニンニク) 【瓜系】 ゴーヤー[苦瓜] (→ 2008.2.12) ナーベーラー[鍋洗]・・・ヘチマ シブイ[白瓜]・・・トウガン (→ 2009.9.1) 【他】 <未熟果>パパヤー・・・パパイア <黴モノ>マクム・・・マコモ (→ 2009.11.10) 健康の考え方−INDEX >>> HOME>>> (C) 2013 RandDManagement.com |