→表紙 →目次 | オジサンのための料理講座 ↓イラスト (C) SweetRoom 2013.10.7 |
| 菊花野菜適合度確認レシピ…秋も深まってくると、菊花の季節。洋風好きならコスモスか。筒状の小さな花が密集することで大花としてプリゼンテーションするタイプである。そんな時に「春の七草」の話もナンだが、そこには菊の仲間が入っているから、料理の話をするなら先ずは触れておかねばなるまい。ちなみに、傘花と十字花も、もちろん代表選手として登場する訳だ。 現代野菜で大きな地位を占めるブラシカ族(ケール系)がこのなかに存在していないのは当然だが、ハコベが入っているのが面白い。小生の場合、十姉妹の餌イメージが強いせいもあるが。以下のようになっている。 【菊花】 ごぎょう(ハハコグサ)・・・秋の芽生えと冬の産毛葉の可愛さ。 ほとけのざ(コオニタビラコ)・・・黄色の小さな花が嬉しさを呼ぶ。 <和名ホトケノザは有毒なシソ科植物> 【傘花】・・・香り強し (→ 2013.10.4) セリ・・・これは歴史が古そう。 【十字花】・・・辛み系 (→ 2013.9.25) ナズナ(ペンペン草) スズナ(蕪) スズシロ(大根) 【ナデシコ系】・・・園芸品種主流の5枚花弁の単純花 ハコベラ(ハコベ)・・・一年中生えていそう。 ハハコグサやコオニタビラコは珍しくない草であるとはいえ、そうそう魅力的でないし菊系が持つ独特な苦味が強くない筈もないのに、重視されているのは一種の薬草的な効果を愉しんでいたものと思われる。多分、薬効的には鎮静剤ではなかろうか。春眠暁を覚えずの候も近づき、春だからそわそわするなかで、深い安眠と心の落ち着きこそ重要ということで、それに最適な若菜ということではなかろうか。西洋的にはこの手の葉は即「薬」だが、和だと「食」を通じて植物の「威力」を頂戴する発想になるのだと思われる。 そういう観点では、レタス類は「薬」を無理矢理「食」に変えたとも言えそう。おそらく、白い液体が植物のミルクと見なされたからできたことだと思う。 それはそれとして、スーパーで売っている春の七草と称されるセット品に、はたしてハハコグサやコオニタビラコが入っているのかはなはだ疑問だが、まあ、菊科の葉野菜が代替品として登用されているのだろうと拝察する。菊科は結構野性味を感じさせるから、それもなかなかのもの。 野摘みも、菊科では結構盛んだし。ただ、蕗の薹、蓬、春菊、で間違う人もいたりするとか。信じ難い話だが、少なくないと聞いたことがある。 さて、和菜料理だが、なにはともあれ、春菊を食べることに尽きる。滅多に口にしない方も、少々でもよいから試してみる価値はあると思う。 ○春菊の摺り胡麻和え 洋風味好みならピーナッツバター。代替としては、「お浸し」(焼油揚千切りを入れるのも一案)。 ○春菊の葉サラダ これは春菊好きな場合。茎を取り除いた葉のみをしばらく水で晒す。所要時間は不定。灰汁ゼロ品もある位だし。(サラダ用表示があった。)茎の太さや、葉のつき方も様々。おそらく色々な品種があるのだと思う。傾向としては、菊らしさが薄まっていると見てよさそう。 一方の洋菜だが、これはもうレタス類を色々と食べ比べるだけのこと。間違えていけないのは、キャベツ系は十字花であり、菊花ではないこと。味が全く違うから両者を混ぜたりしては折角の試行が無駄になってしまう。まあ、よく巻いたレタスと、キャベツの形はそっくりだから、わからないこともないが、それは味覚が鈍くなってしまった証拠でもある。 サラダの食べ方は人それぞれ。市販ドレッシングもあろうし、なにもつけずに生野菜を食すことで、どんな味なのかじっくり検討という手も。お好きなように。 尚、小生は、菊花葉野菜のバーニャカウダーで行くクチ。異端を愛するからでなく、チコリ好みなので。 この場合、忘れてならないのが、マティーニモドキ。(ドライベルモットを好みのジンで割り、レモンの皮を入れるだけ。アルコール度数が高いのでくれぐれもご注意のほど。)言うまでもないが、おつまみとして、詰め物無しの単純なオリーブとチェダーチーズ塊が必要。ナッツは避けること。ダラダラと菊の香りとはどんなものか考えながら一人で酔う訳である。アルコール拒絶の方は、カモマイルのティーではどうだろう。 --------菊花野菜--------(赤字はイタリアン) 【花菜】 キク/食用菊(→ 20070918) カモミール/Chamomile Camomilla フキノトウ/蕗の薹: 蕗の花雷 <類似!・・・ハシリドコロ> アーティチョーク/Artichoke Carciofo 【葉茎菜】 ヨメナ/嫁菜[野菊](→ 20090317) ハハコグサ(ゴギョウ) タンポポ/蒲公英(→ 20090324) ヒメジョオン/姫女苑: 外来種雑草だが可食らしい。 ハルジオン/春紫苑: 同上類似。 ノゲシ/野芥子: サラダで食べられているようだ。 シュンギク/春菊(→ 20090127) <類似!・・・ノボロギク> ヨモギ/蓬(→ 20090303) <類似!・・・ブタクサ> レタス/萵苣(→ 20080115) サラダ菜(玉萵苣) Lattuga ロメインレタス(立萵苣) Lattuga romana リーフレタス/グリーンレタス(縮緬萵苣) サンチュ(掻萵苣) エンダイブ/苦萵苣/Endive(→ 20081014) Indivia riccia チコリ/Chicory(→ 20091013): 芽の軟白栽培 Radicchio bianco 赤チコリ Radicchio rosso プンタレッタ Puntarella フキ/蕗 ツワブキ/艶蕗(→ 20091117) カルド Cardo アザミ/薊 【根菜】 ゴボウ/牛蒡(→ 20071113) キクイモ/菊芋(→ 20081111) 【ハーブ】 ニガヨモギ: ベルモットのフレーバー アブサン用でもあった。 素人が教授するハーブ入門[2:アニス風味酒](20090527) 「料理講座」の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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