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2003.9.7 |
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Fortune500を読む(37:インフラ産業の日本企業)…
政府から民間への波に洗われる上、業界の境を定める規制が撤廃される例が激増しているため、大きく変貌している領域である。 こうしたビジネスに政治力は不可欠だが、それでは立ち行かない事態になったといえよう。 長期的な技術シナリオの優劣と、その読みに沿った事業展開力が重要になってきた訳だ。 この領域には、日本企業が17社ランクインした。 日本の経済規模から見て、当然の数字といえよう。 この産業は、基本的に国内型であるから、産業政策上から見れば、顧客たるプロセス産業やアセンブリ産業から見て、競争力向上に寄与するのかという視点が重要となる。 当然のことながら、グローバル競争に曝され、血のにじむようなコスト削減を進めている産業にとっては、国際価格での提供こそが緊要な課題と言える。 これに応えて、高コスト構造からの体質転換が、この産業に課せられた使命と思う。 そうした方向に動き始めた企業もあるが、なかには、不合理な高コスト業務を温存し続ける企業もある。 もちろん、これは私企業の経営者の資質で決まると言えるが、日本の制度を考慮すれば、改革阻害の元凶は政治側と見てよい。 政治が、国力向上に繋がるよう、低コストで使い勝手が良いインフラ提供を指示しない限り、この産業が変身することなどあり得ないからだ。 現在でも、政治勢力の大半は、「全国民一律平等サービス」スローガンのもと、実質的にインフラの低コスト運営に反対し続けている。一般論では、一律平等を廃止した方が、全員に対するサービス水準向上が実現し易いのだが、そのような議論は封殺される。インフラ業界を活用した集票機構が破綻をきたすから、タブーなのである。 インフラ産業の収益性は政治に大きく左右されるから、このような政策が続く限り、経営者に社内改革の関心が生まれる筈がない。コスト削減のインセンティブが無いのだから、企業が動かないのは当然だ。 ■過去記載頁へ■ 石油精製、 欧州のエネルギー/ユーテリティ、 米国のエネルギー/ユーテリティ、 日本の電力/ガス、 環境ビジネス、 鉄道、 エアライン、 通信、 書状/小包/航空便> 「政治経済学」の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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