■■■ 鳥類/哺乳類等の分類 2013.5.20 ■■■ 翅虫網という言い方 多摩動物公園のオフィシャルホームページは東京ズーネットに属しているが、そこにどうぶつ図鑑の頁がある。「昆虫網」を見ると以下の様に分かれている。(ついてに、多摩動物公園飼育との記載種もあげておく。理由はわからぬが、網羅していない。) 半翅目・・・アメンボ、タガメ、ミズカマキリ 蜻蛉目 鱗翅目・・・ナミアゲハ、アサギマダラ 脈翅目・・・ウスバカゲロウ 直翅目・・・スズムシ、トノサマバッタ カマキリ目・・・オオカマキリ 鞘翅目・・・オオクワガタ、カブトムシ、キボシカミキリ、ゲンジボタル、ハンミョウ 膜翅目・・・クロオオアリ ナナフシ目・・・ナナフシ 革翅目 双翅目 小生は志賀昆虫社に行ったことがある口だから、生物好きではあるが、所謂、"虫屋"のお仲間ではない。従って、この手の分類に興味を覚えることはほとんど無いと言ってよいだろう。しかし、これを見た瞬間、「昆虫鋼」という呼び名は不適切だと感じたので、チョコッと書いておくことにした。 ━━━「翅」名だらけなのだから、どう見ても、これは「翅虫網」だな、と思ったからである。 気になったので調べると、カマキリは「網翅」である。 残念ながら、それぞれの「○翅」について補足説明がないから、漢字一文字だけでは想像がつかないものが多い。しかし、なんとなく分類対象の虫の姿が浮かんできそうた。従って、日本人向けの優れた表記だと思う。特に、そう思うのは、「鱗翅」を「チョウ目」と記載することが多いから。この書き方ではガははたして入るのか定かでなかろう。まあ、両者が類縁ということなど子供でも知っているというのなら、「ガ目」とした方がよいような気がする。 ともあれ、分類はカタカナにすべしという方針が徹底されつつあるようだが、小生は、実につまらぬこだわりに感じてしまう。専門家はどうせラテン語名で考える筈で、日本語の名称で分類を考えるのはもっぱら素人の筈。直感的にわかる、こうした漢字名は一般人にとってはえらく有難いのだが。 ただ、画竜点睛をを欠くのは、「蜻蛉」だけ特別扱いにしている点。「硬翅」でもよいのでは。あるいは、古代から生きていたから「古翅」という手もあろう。トンボに思い入れがある民族だから、勝手に決めると横槍がはいるからよそうということかナ。上記には登場しないが、カゲロウなら「薄翅」だろう。こちらは万人が納得するのでは。ナナフシは特殊だから、別扱いでもよさげだが、「消翅」など如何か。 そんな訳で少し調べてみたのだが、随分と頭を使って「○翅目」という命名を行ったようである。折角、そこまで苦労して作ったのだからこれで行こうとはならなかったのだろうか。小生は傑作揃いだと思うのだが。それぞれの虫の固有名詞は慣用に従った方がよいだろうが、分類するだけの、科目の命名なのだし。 素人には、やはり「○翅」がわかり易いので、以下に書いておいた。 そうそう、英語名にはFLY系の固有名詞が目立つので、それも適当に挿入してみた。蝿が昆虫類の一代表というのは、日本の風土で考えると想像を絶するものがあるが、牧場や街にわんさかいたということなのだろう。なんとなくだが、英語圏の人達は、ファーブル以前は、昆虫にたいして余り興味を覚えていなかったかも。それどころか、害虫系の名前が目立つから、嫌っていた可能性も。 --- 6脚の生物 --- 【否翅虫】(昆虫網外) −: カマアシムシ目(原尾目) −: トビムシ目(粘[管]尾目) −: コムシ目(叉尾目) 【祖翅虫】 −: イシノミ目(古顎目) 【無翅虫】 −: シミ目(総尾目) 【旧翅虫】 −(薄翅): カゲロウ目 [day-flies] −(硬翅): トンボ目 [dragon-flies] 【漸(新)翅虫】(非"蛹"系) 網翅: カマキリ目/ゴキブリ目・・・シロアリ[等翅]も 革翅: ハサミムシ目 襀翅: カワゲラ目 [stone-flies] 直翅: バッタ目・・・キリギリス、コオロギも −(消翅): ナナフシ目・・・コノハムシも 絶翅: ジュズヒゲムシ目 −: シロアリモドキ目 欠[非]翅: ガロアムシ目 【外翅虫】(前"蛹"系) −: 咀顎目・・・シラミ、チャタテムシ、ハジラミ 総翅: アザミウマ目 半翅: カメムシ目・・・セミも 【内翅虫】("蛹"系) 脈翅: アミメカゲロウ目 [dobson-flies] ヘビトンボ[広翅] [snake-flies] 鞘翅: 甲虫目・・・カブトムシ、ゴミムシ、等々 ホタル[fire-flies] 撚翅: ネジレバネ目 長翅: シリアゲムシ目 隠翅: ノミ目 双翅: ハエ目 [flies]・・・カ、アブ[horse-flies]も ガガンボ[crane-flies] 毛翅: トビケラ目 [caddis-flies] 鱗翅: チョウ目 [butter-flies]・・・ガも 膜翅: ハチ目・・・アリも ■■■分類の話■■■ バッタの類縁とは (2013.5.11) 分子生物学による系統訂正の面白さ (2013.5.7) 東アジアの民俗的分類 (2013.5.2) 舌分類の視点も面白い (2013.4.25) 分類話にこだわる理由 (2013.4.13) 哺乳類から外すべき動物 (2013.4.9) 哺乳類の4分類の詳細化 (2013.4.8) 蹄で見た哺乳類の4分類 (2013.4.4) 哺乳類の4分類化 (2013.4.2) 歯について (2013.4.1) 多摩動物公園の見所−INDEX >>> HOME>>> (C) 2013 RandDManagement.com |