「古事記」解釈[歌の意味1](20230127)

■■■　「古事記」解釈 [2023.1.27]　■■■

[歌の意味1]上巻恋歌

💖上巻所収歌は数にして全体の１割にも満たない。神への賛歌とか、国土や景観褒めの類とは大きく異なり男女関係の歌であるせいもあろう。そのためか、多くの話が詰め込まれているにもかかわらず、歌が無い箇所だらけ。
さらに、朝廷にとっては極めて重要な筈の、高天原に於ける歌も無ければ、天照大御神や降臨者の歌詠みも皆無。歌の伝統が無かったことを意味しているのは間違いあるまい。

従って、歌の黎明期は出雲にありということになる。歌の発祥としては、神婚に係る呪と示唆されていると言ってよさそう。そして、歌を磨き上げたのはもっぱら地祇であるということになろう。

と言っても、最後に、"推定"火遠理命の皇祖としての歌１首がある。豊玉比売への返歌であるから、火遠理命以外に考えられないが、歌人名は唐突にも異なっていて、比古遲。この名前は、名目歌人の気持ちを代弁する後見人を意味しているのかも知れない。

＠高天原
　　神々…無歌
＠淤能碁呂島
　　⓿伊邪那美命&伊邪那岐命💖
＠高天原騒動
　　天照大御神…無歌
　　速須佐之男命…無歌
＠高天原追放⇒出雲
　　❶速須佐之男命💖(櫛名田比売)
＠稲羽
　　八十神…無歌
　　大穴牟遅神…無歌
＠根の堅州国
　　葦原色許男…無歌
　　須勢理毘賣命…無歌
＠出雲王朝
　　❷大国主命&妻(沼河日売須勢理毘賣命)💖
　　小名毘古那神…無歌
＠国譲り
　　❸大国主命の娘(伊呂妹高比賣)…阿遅志貴高日子根神💖？
　　建御雷之男神…無歌
　　建御名方神…無歌
＠降臨
　　天照大御神…無歌
　　└ [太子]正勝吾勝勝速日天之忍穂耳命…無歌
　　　└[御子]天邇岐志国邇岐志天津日高日子番能邇邇芸命…無歌
＠海幸彦山幸彦
　　❹豊玉比売&比古遲(火遠理命)💖

---INDEX---(ご注意)歌番号はテキストに従っておりません。
　　　《上巻》国生み
[前駆]【伊邪那美命&伊邪那岐命】綾に吉愛男を📖
　　　《上巻》＠出雲・八尋和邇…7+2首(#1～9) 📖
＜＠出雲＞…7首
[__1]【速須佐之男命】作御歌八雲立つ出雲八重垣📖
[__2]【八千矛神(大国主命)】八千矛の神の命は八洲国📖
[__3]【沼河日売】八千矛の神の命は萎草の📖
[__4]【沼河日売】青山に日が隠らば📖
[__5]【大国主命】射干玉の黒き御衣を📖
[__6]【須勢理毘賣命】神語八千矛の…吾はもよ女にしあれば📖
[__7]【伊呂妹高比賣】夷振天なるや弟織機の📖
＜火遠理命/天津日高日子穂々手見命/山佐知毘古/虚空津日高＞
　　　　　　+＜豊玉毘売命[八尋和邇]＞…2首
[__8]【豊玉比売】獻歌 via 弟玉依毘賣赤瓊は緒さへ光れど📖
[__9]【比古遲(火遠理命)】答歌沖津鳥鴨著く島に📖