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■■■ 今昔物語集の由来 [2019.12.16] ■■■
[169] 本朝往生譚
巻十五 本朝 付仏法(僧侶俗人の往生譚)を眺めてきたが、54譚もあり、よやく半分位。

この巻以外にも往生する話もあるが、そこまで手がまわりそうにないので、とりあえずこの巻がどのような構成になっているのか、ザックリと見ておくことにした。・・・
-----1〜10 高僧-----
[01]【_】三輪宗《元興寺》学匠 智光 頼光<念仏>[→智光曼荼羅] [→阿弥陀仏信仰]往生
[02]【摂津】三輪宗《元興寺》権律 澄海/隆海<念仏>[→尊厳を保つ御臨終]往生
[03]【_】律宗《元東大寺》律師(戒壇和上)明祐<念仏>[→尊厳を保つ御臨終]往生
[04]【_】三輪宗《元薬師寺》権小僧部 清源/済源<念仏>往生
[05]【_】比叡山 定心院十禅師 成意[→比叡山僧往生行儀]往生
[06]【_】比叡山 東塔 (僧) (叡山頸下有痩僭)[→比叡山僧往生行儀]往生
[07]【_】《梵釈寺》十禅師 兼算往生
[08]【_】比叡山 樗厳院(横川)十禅師 尋静[→比叡山僧往生行儀]往生
[09]【_】比叡山 定心院十禅師 春岡/春素<念仏>[→比叡山僧往生行儀]往生
[10]【_】比叡山明請/明清[→比叡山僧往生行儀]往生
-----11〜16 学僧-----
[11]【越前】比叡山 西塔仁慶[→比叡山僧往生行儀]
[12]【近江】比叡山 横川至妙[→比叡山僧往生行儀]
[13]【_】《石山寺》真頼<予告往生 法会中>往生
[14]【土佐】《醍醐寺》観幸<予告往生>
[15]【阿波・讃岐・伊予・土佐】比叡山長増<念仏>[→四国辺地] [→比叡山僧往生行儀]
[16]【_】比叡山 延暦寺伝燈大法師位<念仏>[→千観内供] [→比叡山僧往生行儀] [→弥勒菩薩]往生
-----17 念仏修行僧-----
[17]【_】《法廣寺》平(夲)珍<念仏>往生
-----18〜21 聖行僧-----
[18]【播磨】《如意寺》増祐往生
[19]【陸奥】《小松寺》玄海
[20]【信濃】《如法寺》薬蓮<念仏>[→尸解] [→和泉松尾寺僧の往生]往生
[21]【摂津】《大日寺》広道<往生願望一途>往生
-----22〜24 講主宰僧-----
[22]【京 北山】《雲林院》菩提講聖人<念仏><悪人往生>[→迎講創始者]
[23]【丹後】迎講聖人<念仏><西方願望一途 迎講>[→迎講創始者]
[24]【能登/鎮西】千日講聖人<予告往生>[→迎講創始者]
-----25 僧-----
[25]【摂津】 修行僧樹上人<樹上の声>往生
-----26〜30 沙彌-----
[26]【摂津・播磨】賀古駅勝如 教信<念仏>[→念仏信仰先駆者]往生
[27]【京 北山】《補陀落寺》 比叡山餌取法師 延昌<悪人往生><念仏><予告往生>[→餌取法師] [→比叡山僧往生行儀]
[28]【鎮西】餌取法師 浄尊<悪人往生><予告往生>[→餌取法師]
[29]【加賀】尋寂<悪人往生>
[30]【美濃】《無動寺》聖人 薬延<悪人往生>
-----31〜35 朝臣道心出家者-----
[31]【_】比叡山入道 真覚<予告往生>[→比叡山僧往生行儀]往生
[32]【和泉・河内】尋祐<念仏><源信>[→和泉松尾寺僧の往生]往生
[33]【_】{§}源憩<念仏>[→世尊寺の月]
[34]【_】宮内卿正四下 高階良臣[→世尊寺の月]<往生
[35]【筑前】守正五 高階成順<夢>
-----36〜41 尼-----
[36]【伊勢】光孝天皇孫娘<念仏>往生
[37]【_】寛忠大僧都姉尼 池上寛忠僣都妹尼<念仏>
[38]【伊韓国】好書尼某甲@伊勢国+真頼一妹<念仏>
[39]【大和】源信母尼<念仏>
[40]【_】叡桓聖人 釈妙<臨終五色糸>
[41]【筑前】流浪尼<念仏>
-----42〜47 在俗男性-----
[42]【_】春宮亮右少将従五下 藤原義孝<人格者の往生>[→世尊寺の月]
[43]【丹波】守中宮町正四下 源雅通<悪人往生><まともな往生観>
[44]【伊豫】越智益躬[→世尊寺の月]
[45]【越中】前司非往生譚▼
[46]【長門】阿武大夫非往生譚▼<兜率天>
[47]【_】造悪業人<悪人往生><念仏>
-----48〜53 在俗女性-----
[48]【近江】守伴彦真妻<念仏>往生
[49]【_】右大弁藤原佐世妻 女弟子小野氏/喬木女<念仏>往生
[50]【_】女弟子藤原氏<念仏>往生
[51]【伊勢】飯高郡 伊勢国一老媼往生
[52]【加賀】加賀国一婦女往生
[53]【近江】坂田郡 近江坂田女人息長氏往生
-----54 僧に侍る童-----
[54]【_】《仁和寺》観峰威儀師従童 従童滝丸<念仏>
   KEY:往生「日本往生極楽記」⇒「今昔物語集」[→]

最初の高僧グループで取り上げていない2僧の話は、こんなところ。
《権小僧部 清源/済源》
 僧房に香気が漂い。微妙なる音楽が流れる。
 臨終前日のことだが、
 何時も騎乗していた白馬が躓いて倒れ死んでしまう。
 家にあったすべての米を集め(5石)
 薬師寺で馬を弔った。

《十禅師 兼算》
 前生は、阿弥陀仏に帰依する乞食と言われ、
 病に罹ったかのように臥せてしまった。
 7日で回復したが、死ぬところだったと告げる。
 そこで、横になって、定印を結び、
 弟子と共に念仏を唱し入滅。


この往生念仏を中心とした流れは、ご存知のように、奔流となっていく。往生譚だけの総集書が次々とまとめられていくのである。

「今昔物語集」では、多量読誦で功徳を積む路線に対置する形での観想往生例をあげているが、それより目立つのは口誦念仏や称名念仏だろう。そこらが、下記に示す、次の時代に生まれてくる新宗派の原動力となって行く訳だ。そこらの過程に関する知識豊富な方であると、上記54譚を心豊かに楽しく読み通せるのだろうが、浅学の身には数が多過ぎて一気に読み通すのはかなりつらい。
残っている半分は、おいおい、眺めていくことにしよう。
 良忍[1073-1132年 融通念仏宗開祖@大念仏寺/修楽寺]…自他念仏相即 融合
 法然/源空[1133-1212年 浄土宗開祖@知恩院]…絶対他力 専修念仏
 親鸞[1173-1263年 浄土真宗宗祖@本願寺]…一向専修 一念発起 悪人正機
 一遍/智真[1239-1289年 時宗開祖@清浄光寺]…賦算 踊念仏

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