■■■ 「古事記」叙事的訓読  ■■■
歌物語的箇所
皇嗣権を棒に振ったも同然の、同腹兄妹相姦事件はほとんど歌物語に近く、聴衆に人気の口誦物だった可能性が高い。

この箇所は、19代天皇の章に属しているが、崩御後の皇位空白期ということで独立章的風情を醸し出してはいる。しかし、流れからいえば、穴穗御子が輕太子の即位を阻んだ事件との位置付けということで、次章に繋がる前段ということになる。

尚、地文には特段の敬語表記がされていないので、適宜、補いたいところ。ところが、歌の方は1文字1音だから助詞類さえ挿入しかねる。従って、地文の勝手読みには躊躇しがちに。

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  大雀命
     
  [弟]水齒別命
  [弟]男淺津間若子宿禰命
     ㊀遠飛鳥宮
     
     ㊃御陵
     ㊄木梨之輕太子・伊呂妹輕大郎女
          📖あしひきの山田を作り
          📖笹葉に打つや霰の
          📖大前小前宿祢が金門陰
          📖宮人の足結の小鈴
          📖天だむ軽の乙女甚泣かば
          📖天だむ軽乙女したたにも
          📖天飛ぶ鳥も使人そ
          📖大王を島に葬らば
          📖夏草のあひねの浜の
          📖君が行き日長くなりぬ
          📖隠口の泊瀬山の大峰には
          📖隠口の泊瀬川の上つ瀬に
  [御子]穴穗御子

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