→INDEX ■■■ 今昔物語集の由来 [2020.10.4] ■■■ [462] 本朝古代史[2] 岩清水八幡宮を取り上げておいて、そのご本尊を知らぬ存ぜぬもなかろうと言うことで触れた風に見せかけているが、天皇家の祖について言っておきたかったと言うことだろう。 12代景行天皇 13代成務天皇 14代仲哀天皇 15代応神天皇 ●[巻十二#10] 於石清水行放生会語📖八幡宮放生会 八幡大菩薩、前生に此の国の帝王と御しける時、 夷______軍を引将て、自ら出立せ給けるに、 多の人の命を殺させ給ひける。 八幡大菩薩、前生に此の国の帝王と御しける時、・・・ 大隅の国に八幡大菩薩と現はれ在して 次には宇佐の宮に遷らせ給ひ、 遂に此の石清水に跡を垂れ在まして、 普通は八幡神は応神天皇/譽田天皇だが、「今昔物語集」はその前世を東征した天皇としたようだ。 初代神武天皇 「古事記」は、南九州で、高地盆地耕作民、遠洋航海交易部族、漁撈民、等を抱える南九州王国が500余年繁栄していたことをを示唆している。天皇家は、そこから東征を始めたのである。📖→ --- 東征経路 --- (0) 座高千穂宮 (1) 即自日向発 ↓ 幸行筑紫 (2) 到豊国宇沙(足一騰宮)・・・大分県宇佐 (3) 於筑紫之岡田宮・・・北九州市八幡西の岡田神社か? ↓ 従其国上幸 (4) 於阿岐国之多祁理宮・・・安芸郡府中の多家神社か? ↓ 従其国遷上 (5) 於吉備国之高島宮・・・岡山市宮浦の高島神社か? ↓ 従其国上幸 なかなかの慧眼。 15代 品陀和気命/大鞆和気命/応神天皇の事績は国際色に彩られているからだ。📖→ ○海部、山部、山守部、伊勢部制定 ○剣池@軽造成 ○新羅人渡来 使役(百済池@n.a.[設計名称(石造方池)]造成)…建内宿禰命担当 ○百済国主照古王献上:牡馬一匹 牝馬一匹 太刀 大鏡 馬飼 阿知吉師(祖:阿直史)渡来 ○百済の賢人招致 和邇吉師(祖:史首):論語 千字文 ○献人 韓の鍛冶 卓素 呉の織子 西素 ○醸造術酒人渡来 仁番/須須許理(祖:秦造、漢直)ら 尚、この譚には、石清水に八幡大菩薩を勧請したのは入唐大安寺僧 行教/伝灯大法師と記載されている。帰国時に56代清和天皇護持のため宇佐に参篭し、807年に大安寺東室第7院に祀り、859年に山城男山へ遷座と伝わるそうだ。 八幡大菩薩の応神天皇から先の天皇は、聖徳太子登場まで、全く触れられていないようだ。 16代仁徳天皇 17代履中天皇 18代反正天皇 19代允恭天皇 20代安康天皇 21代雄略天皇 22代清寧天皇 23代顕宗天皇 24代仁賢天皇 25代武烈天皇 26代継体天皇 27代安閑天皇 28代宣化天皇 29代欽明天皇[539-571年]…552年百済から仏像と経文伝来@「日本書紀」 30代敏達天皇 31代用明天皇 └聖徳太子 32代崇峻天皇 33代[593-628年]推古天皇 「古事記」下巻の最終記載の天皇は、33代 豊御食炊屋比売命推古天皇。宮は小治田宮。 37年間統治し、628年[壬子]に崩御。 御陵は大野岡上。河内 科長大稜に遷す。 当然ながら、これ以外に何も記載されていない。仏教については一言も触れない書なのであるから。 要するに、推古天皇即位は飛鳥時代の幕開けであり、それまでの古代の歴史を紐解いてきた「古事記」の役割は終わったと言っているようなもの。換言すれば、律令制国家史が始まることになる。 そこらを、宮で眺めると、こんな流れ。📖古代の都33 《飛鳥の時代(仏教伝来)》 豊浦宮@向原寺/蘇我稲目邸◆33-1 …内陸"浦"は、穴門豊浦宮の蘇我氏的記念名。 飛鳥小墾田宮@雷丘東方遺跡◆33-2 飛鳥宮(岡本宮)=向原寺岡本宮◆34[舒明]-1(火災) 田中宮=法満寺@橿原畝傍◆34-2 …中臣鎌足系の寺。 厩坂宮@橿原大軽◆34-3(伊予行幸後仮宮) …百済献上馬飼育地。 百済宮+百済大寺@吉備池廃寺◆34-4 …場所的に名称が不可解。王族滞在か。 飛鳥小墾田宮◆35-1[皇極] 飛鳥宮(板蓋宮)◆35-2 …蘇我入鹿殺害現場。 …その後、"大化の改新"。 飛鳥小墾田宮◆36-1[孝徳] 難波 長柄豊碕宮@摂津◆36-2 飛鳥宮(板蓋宮):火災◆37-1[斉明:皇極重祚] 飛鳥川原宮◆37-2 飛鳥宮(岡本宮)◆37-3 朝倉橘広庭宮@(福岡)朝倉山田◆37-4 …"白村江"で唐=新羅連合軍に敗退 百済滅亡。 近江大津宮@大津錦織◆38[天智]/39[弘文(大友皇子)] 嶋宮/蘇我馬子邸宅跡@明日香島ノ庄◆40-1[天武] 飛鳥宮(岡本宮)◆40-2 飛鳥宮(浄御原宮)◆40-3/41-1[持統] …「古事記」編纂 《奈良の時代-藤原京(白鳳)》 藤原京@橿原高殿◆41-2/42[文武]/43-1[元明] 平城京I◆43-2/44[元正]/45-1[聖武] 恭仁京@山背相楽/木津川加茂◆45-2 紫香楽宮@甲賀信楽宮◆45-3 難波宮@難波長柄豊碕宮跡地◆36-2/45-4 《奈良の時代-平城京(天平)》 平城京II◆45-5/46[孝謙]/47[淳仁]/48[称徳]/49[光仁] [行宮]小墾田宮=小治田宮=雷丘東方遺跡◆47[淳仁]/48[称徳] 「今昔物語集」の歴史観ではこうなる。・・・ 29代欽明天皇 30代敏達天皇 31代用明天皇 ○聖徳太子 ●[巻十一#_1] 聖徳太子於此朝始弘仏法語📖本邦三仏聖 📖弥勒菩薩 ●[巻十一#20] 聖徳太子建法隆寺語 (欠文) ●[巻十一#21] 聖徳太子建天王寺語📖南都の寺 ●[巻十一#16] 代々天皇造大安寺所々語📖南都の寺 📖熊凝精舎(後半欠文) 32代崇峻天皇 <推古〜聖武 9代[巻十一#16]> 33代[593-628年]推古天皇 ●[巻十一#22] 推古天皇造元元興寺語📖南都の寺 34代舒明天皇 ○道照[629-700年] ●[巻十一#_4] 道照和尚亙唐伝法相還来語📖留学僧 35代・37代皇極・斉明天皇 36代孝徳天皇 38代[668-672年]天智天皇 ●[巻十二#_5] 於薬師寺行最勝会語📖薬師寺ご本尊 📖金光明経 天智天皇、薬師寺を建給て後、仏法盛也。・・・ (53代)淳和天皇の御代に、・・・ 「・・・帝王を祈らしめむが為に最勝王経を講じ・・・」 帝王の宣はく、「・・・代々の帝王の御後の人を以て檀越と為べし」と。 ●[巻十一#29] 天智天皇建志賀寺語📖弥勒菩薩 ●[巻十一#30] 天智天皇御子始笠置寺語📖平安期の寺 📖弥勒菩薩 39代弘文天皇 40代天武天皇 41代持統天皇 42代[697-707年]文武天皇 ○役行者 ●[巻十一#_3] 役優婆塞誦持呪駈鬼神語📖本邦三仏聖 (後半欠文) 43代元明天皇 44代元正天皇 ○道慈[n.a.-744年] ●[巻十一#_5] 道慈亙唐伝三論帰来神叡在朝試語📖留学僧 📖虚空蔵菩薩 📖興福寺僧一瞥 ○玄ム[n.a.-746年] ●[巻十一#_6] 玄ム僧正亙唐伝法相語📖留学僧 📖藤原広嗣の乱 📖興福寺僧一瞥 45代[724-749年]聖武天皇 ●[巻十四#_4] 女依法花力転蛇身生天語📖藤原広嗣の乱 聖武天皇の御代に、・・・帝王、其の女を召て、・・・ ●[巻十一#13] 聖武天皇始造東大寺語📖南都の寺 📖興福寺僧一瞥 ●[巻十一#15] 聖武天皇始造元興寺語📖南都の寺 📖弥勒菩薩 ○行基 ●[巻十一#_2] 行基菩薩学仏法導人語📖本邦三仏聖 📖架橋 ●[巻十一#_7] 婆羅門僧正為値行基従天竺来朝語📖渡来高僧 46代[749-758年]48代[764-770年]孝謙・称徳天皇 ●[巻十二#_4] 於大極殿被行御斎会語📖吉祥天 📖金光明経 高野姫の天皇と申す帝王御ましけり。聖武天皇の御娘也。 ●[巻十一#18] 高野姫天皇造西大寺語📖南都の寺 (後半欠文) ○鑑真[(688-)754-763年] ●[巻十一#_8] 鑑真和尚従震旦渡朝伝戒律語📖渡来高僧 47代淳仁天皇 49代光仁天皇 (C) 2020 RandDManagement.com →HOME |