→INDEX ■■■ 「古事記」解釈 [2022.3.27] ■■■ [450][安万侶文法]"之"文法の入り口 使用文字數も格段に多いから、さらりと全体像を眺めると言っても、簡単ではなさそうだし、とりあえず、ほんの入り口だけ触れ、時間をかけて、考えながら整理して行こうと思う。 もともと現代語<の>は、余りに日常的に使われ過ぎていて、誰もその文法や用法など意識していない。ところが、イザ、文法的に紐解こうとすると、途端にわからなくなる。 特段、難解とも思えないが、文法的に確定していないだけのことで、暗記文法が当たり前と思っているので面食らうのである。 そういう意味で、「古事記」読みは、その足がかりになるかも。 寄り道になるが、現代語<の>について感じていることを文法的視点で書いておこう。・・・ 素人がすぐに気づくのは、基本3タイプありそうだ、という点。・・・ ①<名詞+の+名詞>連体助詞 私のPC。 涙の雨。 ②<名詞+の+動詞等>格助詞 私の使っているPC。 ③<名詞/連体形+の+助詞>形式名詞用助詞 私のを使っている。 終わるのを待っている。 もちろん、現実にはこんな単純に片付く訳がなく、おそらく整理は如何様にも、と云うのが現実。例えば、こんな風な発展形で描くこともできる。・・・ ①包括的連体修飾化の前置助詞 <名詞+のー名詞> <形容詞連用形/副詞+のー名詞> 多くの賛辞 <格助詞+のー名詞> 友人からの借用品 ②疑似主格助詞(複文的様相) ③拡張的名詞化の語尾助詞 <名詞/連体形ーの・・・> 私のが本物。 ④独立的語気詞 <文末> 好きなの。 PC手に入れたの。 どんな特徴なの。 <繰り返し句末> できるの、できないの 繰り返すことになるが、" (東京都港区という文字を、"トウキョウ-ト の ミナト-ク"と読む人はいないと思うが、話言葉では"の"を入れることは少なくない。誰もたいして気にしていないし、この手の<の>の使い分けがどうなっているのかを教わったという記憶は無いが、特定条件下では"の"にはそれなりの意味が発生する。上記の用例でも、”私の使っている⇔私が使っている"は文章上可能だから主格の格助詞ということで一件落着になるものの、複文構造を前提にしての主語認定である上に、両者の意味が同じであるとも言いかねる場合は少なくないので、できれば避けたい整理方法である。 尚、姓の大野は大之からではなさそう。野は甲類で連体助詞は乙類だから。) ≪之≫ …往く足跡 or 枝茎生出 [音]シ [訓]ゆく これ の 【原意】往到 【代】人/物代替 【助】的(所属的修飾) 原初的な意味は"存在の場所"を示すということだが、文字イメージからすると、発祥の由来(処)を示す茫洋とした言葉のように思われる。所属とか、資格という新しく生まれた概念を乗せてはいるだけで、変わって来たというほどのものでも無い気がする。 音素として使用する場合は、一般的には、"の"で、頻繁に使われるので他に読みは無いということかと思っていたら、そういうことでもなさそうである。・・・ 【が】…素人からすれば、"の"では拙い理由がわからない。 @「古事記」新羅遠征御神命 「是 天照大~之御心者・・・ 今寔 思求其國者・・・ @「万葉集」 無しだろう。 【は】 @「古事記」 無しだろう。 @「万葉集」巻十三#3318 【ば】・・・現代語用法である独立的語気詞"の"の元祖と違うか。 @「古事記」小碓命の行状 (小碓命)答白「既爲泥疑也」 (天皇)又詔:「 @「万葉集」@巻七#1386 予想以上に文字数が多すぎて、軽く眺めるレベルでは無いため、以上、とりあえず気になっていることだけ書いてみた。どう手抜きして全体像を眺めるか少し考えてから、"之"について書こうと思う。 ------------------------- 📖助詞<の>は乃でもよいのか 📖"ア"と"あ"を規定 📖語気詞の扱い 📖特別感嘆詞"然者" 📖接続詞不要の社会 📖ゴチャゴチャ表記の理由 📖構造言語文法は不適 📖句間字と文末字の重要性 📖膠着語の本質 📖日本語文法の祖は太安万侶 🗣📖訓読みへの執着が示唆する日本語ルーツ 📖日本語文法書としての意義 📖倭語最初の文法が見てとれる 📖てにをは文法は太安万侶理論か 📖脱学校文法の勧め 📖「象の鼻は長い」(三上章) 📖動詞の活用パターンは2種類で十分 📖日本語に時制は無いのでは 📖日本語文法には西田哲学が不可欠かも 📖丸暗記用文法の役割は終わったのでは 📖ハワイ語はおそらく親類 📖素人実感に基づく言語の3分類 📖日本語文法入門書を初めて読んだ 📖書評: 「日本語と時間」 📖日本語への語順文法適用は無理を生じる (C) 2022 RandDManagement.com →HOME |