→INDEX ■■■ 「古事記」解釈 [2023.6.27] ■■■ [731] 清濁は雑種言語の特徴そのもの あいゐうえゑおを 阿伊韋宇愛惠意袁📖📖📖📖📖 かガきkiギgiくグけkeゲgeこkoゴgo 迦賀紀岐疑藝久具祁氣下宜許古碁胡📖📖📖📖📖 さザしジすズせゼそsoゾ 佐邪志士須受勢是曽蘇敍📖 たダちヂつヅてデとtoドdo 多陀知遅都豆弖代登斗杼度📖 なにぬねのno 那迩奴泥野能📖📖📖📖 はバひhiビbiふブへheベbeほボ 波婆比火毘備布夫幣閇弁倍富煩📖📖📖 まみmiむめmeもmo 麻美微牟賣米毛母📖📖📖 やゆ𛀁よyo 夜由餘延用📖 らりるれろro 良理流禮呂漏📖📖 わ 和📖 現代五十音図では、"は ば ぱ"が分別表記されていると見る人もいるが、どんなものか。言語分野にも素人の常識が通用するとしたら、分別とは"ha ba pa"という具合に異なる文字を用いること。追記符号で示すなら、それは"若干の差異あり"と見なしたことを意味しよう。清濁音は有声⇔無声で対立的に扱われているにもかかわらず、文字表記までして両者を峻別するほどの重要性は無いということになる。「古事記」の記載方針は採用されなかったことになろう。 ---現代有声音--- ---現代無声音--- [a][i][u][e][o]母音(あ行) [b][d][g]破裂音 [p][t][k](た行 か行) ("ち" "つ":例外的破擦音) [v][z]摩擦音 [h][s](は行 さ行) [m][n]鼻音(ま行 な行) [l][r]流音(ら行) [w][y]半母音(わ行 や行) どうしてこうなるのかの解説は、要領を得ないものにしかお目にかかったことはないが、「古事記」をしみじみ眺めていると、その経緯はなんとなく想像がつく。・・・ 濁音非使用…濁音は語中・語尾で偶々生じる程度 …濁音は強く聞こえるようには発生しない。 ⇩ (中略) ⇩ 渡来語の濁音使用 …有気 v.s. 無気の区別は倭人の聴覚感に合わず。 漢語(官語)の清濁定義は有気(無声音)と無気(有声音)的な対立で次元が異なる。 ⇩ 表音文字認定で濁音峻別(一部曖昧)@「古事記」 ⇩ 清濁・アクセント・声調の専門書用表現扱い …漢文公式文書化で、読み方について記載するのはアンチョコに。 倭語は歌用でもあり慣れていて想像できるので滅多に記載せず。 ⇩ 音表記文字の濁音清音区別曖昧化(兼用)化 …おそらく、大陸でもいい加減になっていたのだろう。 怒涛の様に漢文が入り訓読み簡便化方策に集中。 ⇩ 仮名ほぼ確定【表記上濁音無視】 ⇩ 声点符号類規定化…特定用途用 ⇩ 濁音記号[_゙ _゚ 3/4点 等]の仮名への導入@12世紀 ⇩ 連声濁音発生(音便)が一般化【新濁音】 ⇩ (中略) ⇩ [1927年]公式化(全面的詔書使用化を意味していない。) ⇩ [第二次世界大戦後]一般用法化(「現代かなづかい」) 素人が適当に作成した流れだが、それを規定しているのは、清音 v.s. 濁音というドグマ。漢語の公定言語法則(全く異なる概念)を真似て名付けているが、実際には、中華帝国・朝鮮半島にはその様な感覚は存在していない。倭語独自の概念と言ってよいだろう。(もちろん、この概念で漢語を眺めることはできる。それが通用するかどうかはなんとも。日本語分析は印欧語概念で眺めているのだから同じようなもの。) このことは、濁音をほとんど使わないでいる所に、濁音語が大量に流入してきたので、類似音をもとから使って来た清音で規定したことを物語る。もともと一音語彙が多かったから、語頭濁音は避ける習慣は続いたろうが、語中語尾での濁音を入れ込むことになった。ただ、おそらく、純正渡来の破裂音濁音は音が強すぎるので弱める疑似発音化も発生したに違いない。(現代でも大陸側の人々の会話は、日本語と違って喧しい印象を受けるが、できるだけ大声で話す文化というだけでなく、濁音を伝えるために息量を大きくしている可能性があろう。日本語の濁音修得は苦手かも。) (素人目線では、日本語発音は口の広げ方に特徴があるが、印欧語分析に合わせるので余り考慮されない。・・・[狭]破裂音⇒摩擦音⇒鼻音⇒流音⇒半母音⇒[i][u]⇒[e][o]⇒[a][広]) そんな風にして、濁音が入った語彙が数多く定着してしまうと、音便による新濁音も発生して来る。 2つの語彙で合併語的様相を示したいとなれば、渡来語的に語中濁音をつくればよいのだから、後ろの語彙の語頭を濁音化することになる。結合語彙はいくらでもあるが、合併語感が欲しい時に生まれるとすれば、ルールというより情緒的なものである可能背が高い。 これぞ雑種言語📖の面目躍如。 (C) 2023 RandDManagement.com →HOME |