→INDEX ■■■ 「古事記」解釈 [2023.2.16] ■■■ [歌の意味21]大長谷若健命が筆頭歌人 --- 「萬葉集」代表的歌人 --- 🈜【 古 】⑯磐姫皇后/石之日売 ㉑雄略天皇 ㊀【飛 鳥】舒明天皇 天智天皇 天武天皇 (額田王) ㊁【白 鳳】持統天皇 (柿本人麻呂) ㊂【平城京】(大伴旅人 山上憶良 山部赤人) ㊃【奈良都】(大伴家持) 「萬葉集」には、"篭もよ み篭持ち"以外に、もう1首あるので引いておこう。但し、舒明天皇御製[巻八#1511]とほぼ重複。違いは"鳴く鹿"。 [巻九#1664 雜歌(巻頭)]泊瀬朝倉宮御宇大泊瀬幼武天皇御製歌一首 夕されば 小倉の山に 伏す鹿の 今夜は鳴かず 寐ねにけらしも 【左注】右或本云崗本天皇御製 不審正指 因以累戴 嬬恋鳴きの鹿もついに想いを遂げることができたとの共感を、美しくまとめあげたお手本のような恋歌作品。歌人は大長谷若健命たるべし、となっておかしくなかろう。 このことは、「古事記」登場の英雄は倭建命とみなしている現代の風潮とは違い、大長谷若健命が圧倒的な花形だったことを意味している。 ①天皇や⑯天皇も、御製歌の数から見れば、 筆頭歌人候補と云えなくもないが、㉑天皇は、ロリータ的ではあるものの、恋への情熱は断トツ。仏教信仰が浸透し、儒教型律令国家体制化を急ぐ社会状況を考えれば、魅力と云う点ではとても比較にはなるまい。・・・ 儒教では正妻を"愛する"ことが正道とされる訳だが、それは宗族内統治上の安定化のためであってそれ以上ではない。性的関係は表にしないだけで、金銭的にどうにでもなるのが実情で、それは正妻との婚姻関係維持のための重要な方策でもある。 もともと、宗族外から娶るのが絶対的規律であって、それは恋とは全く無関係。宗族繁栄の最重要方策であるから、男女間で決めることではない。儒教は個人の精神領域まで統制していくことで、絶対安定の社会を"合理的に"実現する宗教であるから当然の姿勢と云える。 一方、個々人に由来する恋など自ら統制できる訳がなく、ただただ悩むものでしかないというのが仏教の見方。従って、その状況から脱せよとなるが、ソリャ理想論ではそうかも知れぬが、とても無理というのが倭人のフツーの心境だろう。従って、恋を貫く㉑天皇の姿勢には強い共感を覚えた筈である。 -----御製----- 《上巻》国生み [前駆 伊邪那岐命]📖綾に吉愛乙女を 《上巻》@出雲・八尋和邇 [__1 速須佐之男命 作御歌]📖八雲立つ出雲八重垣 [__2 八千矛神(大国主命)]📖八千矛の神の命は八洲国 [__5 大国主命]📖射干玉の黒き御衣を [__9 比古遲(火遠理命) 答歌]📖沖津鳥鴨著く島に 《中巻初代天皇段》 [_10 ①天皇⇒自軍兵@東遷]📖宇陀の高城に鷸羂張る [_11 ①天皇⇒久米人]📖みつみつし久米の子等が頭椎い [_12 ①天皇⇒久米人]📖みつみつし久米の子等が粟生には [_13 ①天皇⇒久米人]📖みつみつし久米の子等が垣下に [_14 ①天皇⇒久米人]📖神風の伊勢の海の [_15 ①天皇⇒久米人]📖盾並めて伊那佐の山の [_17 ①天皇]📖姉をし枕かむ [_20 ①天皇]📖葦原の穢しき小屋に 《中巻10代天皇段》 《中巻倭建命関連》 《中巻15代天皇段》 [_42 ⑮天皇]📖千葉の葛野を見れば [_43 ⑮天皇]📖この蟹やいづくの蟹 [_44 ⑮天皇]📖いざ子ども野蒜摘みに [_45 ⑮天皇]📖水溜る依網の池の [_46 (太子)大雀命/⑯天皇]📖道の後こはだ乙女を雷の如 [_47 (太子)大雀命/⑯天皇]📖道の後こはだ乙女は争はず [_50 ⑮天皇]📖すすこりが醸みし御酒に 《下巻16代天皇段》 [_53 ⑯天皇]📖沖辺には小舟連ららく [_54 ⑯天皇]📖押し照るや難波の前由 [_55 ⑯天皇]📖山県に蒔ける青菜も [_60 ⑯天皇 志都歌之歌返]📖山代にい及け鳥山 [_61 ⑯天皇 志都歌之歌返]📖三諸のその高城なる [_62 ⑯天皇 志都歌之歌返]📖つぎねふ山代女の木鍬持ち…根白 [_64 ⑯天皇 志都歌之歌返]📖つぎねふ山代女の木鍬持ち…さわさわに [_65 ⑯天皇]📖八田の一本菅は子持たず [_67 ⑯天皇]📖女鳥の吾が大王の [_72 ⑯天皇]📖たまきはる内の朝臣 《下巻17代天皇》 [_76 ⑰天皇]📖丹比野に寝むと知りせば [_77 ⑰天皇]📖埴生坂吾が立ち見れば [_78 ⑰天皇]📖大坂に遇ふや乙女を 《下巻軽王・軽大郎女》 [_81 (皇子)穴穂命/⑳天皇]📖大前小前宿祢が金門陰 《下巻21代天皇段》 [_91 ㉑天皇]📖日下辺の此方の山と [_92 ㉑天皇 志都歌]📖三諸の厳橿が本 [_93 ㉑天皇 志都歌]📖引田の若栗栖原 [_96 ㉑天皇]📖胡坐居の神の御手もち [_97 ㉑天皇]📖三吉野の小室岳に [_98 ㉑天皇]📖八隅知し我が大王の遊ばしし [_99 ㉑天皇]📖少女のい隠る丘を [102 ㉑天皇 天語歌]📖百礒城の大宮人は [103 ㉑天皇 浮歌]📖水注く臣の少女 《下巻23代天皇関連》 [105 即位前㉓天皇 詠(非歌表記)]📖立つる赤幡見れ者 [107 即位前㉓天皇 @歌垣経緯]📖大匠拙みこそ [109 即位前㉓天皇 @歌垣経緯]📖潮瀬の波折りを見れば [111 即位前㉓天皇 @歌垣経緯]📖大魚吉鮪突く海士よ [112 ㉓天皇]📖浅茅原小谷を過ぎて [113 ㉓天皇]📖置目もや淡海の置目 (C) 2023 RandDManagement.com →HOME |